創りたい本がある。その題名は…過去の『復讐』ではなく、夢への『再挑戦』

自分の作品が書籍として出版される。
ここカクヨムで作品を発表している創作人の中には、それを目標としている方も多いでしょう。
本作は、そうした方には特に深く刺さる物語です。

自分が担当していたWeb作品の書籍化に失敗した、ラノベ編集者の主人公。
勤めていた出版社を退職して継いだ祖父母の書店『ミュゲ書房』で、なんとその作品『リベンジ』の作者と運命の再会を果たします。
二人は今度こそ『リベンジ』を書籍化しようと動き始め——

「本を創る」ということは、一体どういうことなのか。
「物語」を生み出す創作者。
「商品」を売り出す出版社。
信念と、愛着と、利害と。
何を取り、何を捨てるのか、はたまたどこで折り合うか。

一冊の本を創って売るのにも、多くの人が関わっているのだということがよく分かります。
本作には書店の経営事情や出版に際した契約関係のことも丁寧に書かれており、分かりやすい上に読み応えがあって非常に面白いです。

一度は挫折し、多くの人の力を得て再び目指す夢だからこそ、この『リベンジ』は必ず成し遂げなくてはならない。
その想いが胸に沁み、目頭が熱くなります。

作者様の過去作『市長の恋』の佐伯市長や山田さんも登場し、同作のファンにも嬉しい仕様。
現在、物語は佳境を迎えています。最後まで心して彼らの『リベンジ』を見届けたいと思います!

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