おわりのあまおと




雨粒落ちて

すぐ乾いて


涙落ちて

すぐ渇いて



インクが滲む

紙の上

カタチにならない言の葉が

滲んではすぐに

渇いて消えていく


空っぽのインク瓶 心の様に

これじゃあなにも書けない

書けない



淡く深く染まる藍の空に

空っぽの手を伸ばして

藍の色を滲ませた指先

風の赴くままに踊らせて


頬にひとつ線を引く

涙の代わりの線を引く


雨粒ひとつ落ちてくる

頬にひとつ線を引く

涙の代わりの線を引く



雨粒ふたたび落ちてくる

滲んだ世界に終わりの雨音







 




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詩集「僕の独り言」 雨音 @ayuction

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