きっと宝物になる

霊や妖怪が『見える』ちょっと内気な小学生の光太と、明るく活発な転校生の真夜子。そして三人の中で唯一『見えない』ガキ大将の十勝くん。そこにちょっとドジなネコマタのチョコも加わって、三人と一匹の友情と成長が連作短編形式でいきいきと描かれています。

木の精とのふれあい。人食い自販機の謎。病気を運ぶ鬼との対決。

どのエピソードもわかりやすく、けれどけっして説教くさくなく、大切なことを大切なまま心に届けてくれます。

もしも子どものころに出会っていたら、きっと宝物になっていた。そして大人になった今は、どこかに置き忘れてしまったものを思い出させてくれる。

とてもあたたかく、やさしい眼差しで描かれている物語です。ぜひ、読んでみてください――!

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