ネタ出し方法その9?【復習】:お題『カタリ』or『バーグさん』

 さて、いよいよ最終回。お題は『カタリ』or『バーグさん』です。

 …………誰?お題で名前が出てきた時、本気で誰だかわかりませんでした。公式キャラクターって、トリ以外にいたんですね。

 さて、そんなわけで、今回は指定された登場人物をお題にネタ出しをしなければいけないのですが……ネタ出しだけなら、正直とても楽でした。

 【拡大法】の説明の時に、固有名詞がお題に来たらラッキーだと書きましたが、今回はそれががっつり当てはまっています。それが人名であっても変わりありません。【拡大法】によるネタ出しが一番楽ですが、他の方法でも対応できます。

 今回は新しいネタ出し法はなしで、復習を兼ねて、【拡大法】でネタ出しをしてみようと思います。

 これまで紹介してきたネタ出し方法で、どんなお題にも対応できるとまではいきませんが、あるていどならとっかかりくらいは作れるということを実感していただければ幸いです。



ネタ出し方法【拡大法】

 さて、今回は以前に紹介した【拡大法】でネタ出しをしたいと思います。いくつもあるネタ出し方法の中で、何故【拡大法】を選んだかというと、私がネタ出しをする際にもっともよく使う方法だからというだけです。

 まずは、【拡大法】のやり方の復習です。

【拡大法】:キーワードを詳しく調べて、その単語ならでは特徴を並べ、キーワードを”拡大”させる方法。

 では、『カタリ』or『バーグさん』というお題で実践してみましょう。せっかくですので、二人とも登場させるつもりでネタ出しをしていきます。



【拡大法】で、特徴を並べていきます。今回はキャラ設定が既に存在するので、そこから特徴を抽出して並べるだけなので非常に楽ですね。


■カタリの特徴

・誕生日は4月6日:新聞をヨム日・城の日・北極の日など(ググるとたくさん出てくる)

・座右の銘は「読めばわかるさ!」

・世界中の物語を救うことが使命

・謎のトリによって「詠み人」に選ばれた

・左目に「詠目(ヨメ)」という能力を持っている。

・「詠目(ヨメ)」で人々の心の中に封印されている物語を見通し、一篇の小説にすることができる

・物語を必要としている人の元へ届けるのが仕事

・活発で、身体を動かすのが大好き

 etc......


■バーグさんの特徴

・誕生日は1月1日:元日 他(ググるとたくさん出てくる)

・座右の銘は「いつも笑顔!」

・カクヨム作家のサポートを行うために生み出されたお手伝いAI(実装はよ)

・ひたむきに作家を支えてくれる姿勢が高評価(実装待ってます)

・AIなのに自分で思考して作者を支援する(実装まだですか?)

・口調は毒舌。だが、それがいい。ご褒美です(はやく実装されて罵ってください)

・AIなのに喜怒哀楽がある(実装)

・いつもは笑顔なのに急に真顔になる(実装)

 etc......


■ついでにトリの特徴

・丸い

・たぶんフクロウ

・たぶん鳥類

・たぶん飛べる

・カタリの設定的に、話すことはできると思われる

 etc......


 ……うん。ネタとしてはすでにおなかいっぱいですね。それぞれの情報をさらに深掘りしていけば、ほぼ無制限でネタが出てきます。例えば、それぞれの誕生日を深掘りすればさらなるネタが出てくるでしょうし、『リンドバーグ』という名前を深掘りすれば歴史の偉人のネタが出てくるでしょう。



 私は並べ上げたネタの中から、カタリの『詠目(ヨメ)という能力』とバーグさんの『お手伝いAI』というネタを中心に考えていきました。

 カタリとバーグさんを同時に登場させようと思った時、ネックになるのは両者の設定でした。カタリはファンタジー寄りの設定、バーグさんはSF寄りの設定であるため、そのままの設定で同時に出そうとすると、世界観やストーリーに齟齬が発生してしまいます。

 短編の場合、そのあたりのボロが出る前に終わらせてしまうことも可能ではあるのですが、私は世界観に凝ってしまう性質なので、できるだけ矛盾のない設定にしたいと頭をひねりました。

 そこで、カタリの『詠目(ヨメ)という能力』について、魔法であるということが言及されていないことに注目しました。先入観から魔法のようなものだと感じてしまうけど、科学技術が生み出した能力でも設定に反しないと思ったのです。

 たぶん、ほとんどの人がカタリの『詠目(ヨメ)』を魔法のようなものだとして表現するでしょうし、差別化という意味でもSF寄りにするのは悪くないと考え、そこからストーリーを組み上げていきました。

 そうしてできあがったのが、以下の作品です。

「たった一人の僕の読者」

https://kakuyomu.jp/works/1177354054889058126

 ……なんか☆の数がおかしくなるバグにかかった作品その2。SFジャンルでここまで高評価を得られるとは正直思っていませんでした。

 最終日ということもあって、たくさんの人に評価と応援コメントを残したので、お返しで読んでくれた人が多かったのが勝因だったかと思います。評価コメントも素敵なものが多く、たくさんの人の目を引いてくれたことも大きかったです。

 評価・応援してくださったみなさま、本当にありがとうございました!



 では、最後に、いつもどおり、個人的に面白いと感じた作品を二つご紹介します。

 KAC10は最後のお題ということもあり、気合が入っている作品が多く、どれを選ぶか本気で悩みました……。

 よければ、ぜひ読みに行ってください!



「カタリとトリの旅・次元の違う恋」

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054889037684

 箱守みずきさん


 タイトルは『カタリとトリの旅』となっていますが、彼らはあくまで語り部であり、主役は別だと個人的に思います。

 万人向けのシンプルなラブストーリー。だけど、綺麗な文章表現と構成で読者の胸を打ってくる良作です。荒廃した世界観というのも個人的に好きです。

 誰が読んでもしっくりくる読み応えのある物語です。ぜひ読んでみてください。



「【KAC10】至高の一篇」

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054889052067

 牧野 麻也さん


 ご存知の方も多いでしょうが、カクヨム編集長賞受賞作。受賞も納得の作品です。

 カタリとバーグさんの設定を忠実に再現し、その上で綺麗にストーリーに落とし込んだ丁寧な作品になっています。個人的な見どころは、カタリとバーグさんの掛け合いです。お互いのキャラを引き立てつつ、楽しくスルスル読める内容で素晴らしかったです。

 詳細はぜひ本編をご覧になってください!




 時間がかかってしまいましたが、これにてKACの振り返りとネタ出し方法の紹介は終わりとさせていただきます。このような拙いエッセイを最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 本当はKACのお題に合わせて10通りくらい紹介できれば良かったのですが、よく使う方法を系統立てて並べてみると8通りくらいにしかなりませんでした。みなさま、内容の方はいかがだったでしょうか?みなさまの執筆に、少しでもお役立ていただけるようでしたら幸いです。

 KACは強制ネタ出しなった上、さまざまな人と交流を深めることができて本当に有意義でした。KAC作品を読んでくださったみなさま、このエッセイを読んでくださったみなさま、本当にありがとうございました!




 今回のネタ出しでスチームパンクに挑戦してみたくなったので、次は長編でやってみようかな(プロット作成に熱中してたせいで今回の投稿が遅くなったのは内緒)。

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KACで振り返るお題小説のネタ出し方法と振り返り くろまりも @kuromarimo459

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