主人公のカタリは特殊な目を持っていた。他人の心に残る思い出を、見抜ける目だった。そんなカタリは、一人の女性とすれ違う。 その女性は、幼い頃、友達の話を聞いてあげられなかったことを、後悔していた。カタリはその女性の想いを一篇の物語にして飛び立つ。そして、ついに女性が気にしていた相手を見つける。 その女性に優しく言葉をかけ、カタリは物語を贈る。 本当に伝えたかったこと。 それが伝わらずに、仲違いしたこと。 ずっと、ずっと、後悔していた。だから。 必死に想いを届けようとするカタリの姿に胸を打たれる一作です。 是非、御一読下さい。
非常に丁寧かつ緻密に造り上げられた秀作。子供同士で良くある出来事と、それをずっと胸のつかえにする登場人物。主人公は洒落た橋渡しをするのだが船には弱い。そしてノドグロは我が生まれ故郷鳥取県でも良く取れる。 段々話がずれた。軌道修正しよう。 誰にでも幼少期から引きずる後悔はあり得る。人の紡ぐ物語は人の得たトラウマの集積という一面になり得る。しかし、一度相手に伝えられた真意は確かになんらかのカタルシスをもたらす。 詳細本作。
カタリの詠目の、伝えたい人へ想いを届ける設定、綺麗にストーリーにまとまっています。お題に即した見本ですね!優しい文体とお話が感動です。皆さんも伝えたい言葉とかあるのではないでしょうか。カタリがよみとってくれるといいですね。
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