その想いを、一篇の物語へ。

 主人公のカタリは特殊な目を持っていた。他人の心に残る思い出を、見抜ける目だった。そんなカタリは、一人の女性とすれ違う。
 その女性は、幼い頃、友達の話を聞いてあげられなかったことを、後悔していた。カタリはその女性の想いを一篇の物語にして飛び立つ。そして、ついに女性が気にしていた相手を見つける。
 その女性に優しく言葉をかけ、カタリは物語を贈る。
 
 本当に伝えたかったこと。
 それが伝わらずに、仲違いしたこと。
 ずっと、ずっと、後悔していた。だから。

 必死に想いを届けようとするカタリの姿に胸を打たれる一作です。
 
 是非、御一読下さい。

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