カクヨムガタリ

維 黎

アトガキガタリ

「――最初に言っておきますけど、これは夢オチですから! 一連のやり取りの後、作者様は『あぁ、夢か』的なセリフを吐きます。私としてはこんなチープなセリフではなく、もっと前衛的、つ独創的なセリフを一発かましてくれるものと、諦めの極地に立ちつつ期待してみます!!」


「まぁ、まぁ、バーグさん。仮にもド素人とはいえ、作家風なことをしているんだから、いくらなんでも維黎ゆいれいにだって、気の利いたことが言えるとオイラは思うな」


「そうだといいのですけれど。――ところで『~風』って、要はニセモノですよね? 言い換えれば、この作者様は『ばったもん』作家ということです! それなのに気の利いたことが言えると思う根拠はなんですか? カタリ。あなたの左目の『嫁』で作者様の心の奥にある"物語の欠片ことのは"でも見つけましたか?」


「『ヨメ』じゃなく『詠目よめ』だよ、バーグさん。変な設定つけないでよね、オイラのキャラがブレるから。――と、まぁ、それはともかく"物語の欠片ことのは"じゃないけど、今まで書いた物語の"創作の想いせってい"を見つけたから、ちょっと詠んでみるね」


「へぇ! それは実に興味ないです!」


「え!?」


「あぁ、言い間違えました! 実に興味深いです!!」


「……普通、正反対のこと言い間違える? まぁ、良いけど。えぇと、まずは『切り札はフクロウ』がお題のやつだね。https://kakuyomu.jp/works/1177354054888752910/episodes/1177354054888753066

ん~っと。……これは、一発ギャグが最初にポンと浮かんだらしいね。で、前振りの部分を徐々に書いていったみたい」


「あぁ、あの出オチのやつですね。でも、あの一発ギャグが"森進一もりしんいち"さんのモノマネってことが、どれほどの人に伝わったのやら。結局、オヤジギャグをただ書きたかっただけですもんね。あれ」


「――この手のギャグを事細ことこまかに解説するのって禁忌タブーだと思うんだけどね。もしかしたら維黎ゆいれい、部屋の隅っこで三角座りしてるかも」


野郎ヤローのいじけた姿なんか見ても、可愛くもなんともないので、次行きましょう!!」


辛辣しんらつだね、バーグさん。オイラも全くの同意見だけど。次は2日目のお題『2番目』。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054888781144/episodes/1177354054888781232

これはじゃなくてを軸にして書こうと思ったみたいだね」


「作者様的にはナイスなひらめきだと思ったらしいですけど、書いてみたらそうでもなかったという……」


「そう言えば初めてコメントを頂いたのがこの作品だったんだ。淡々とした返事を書いてるけど、実はこの時、嬉しすぎて2,3分、繰り返しコメントを読んでたみたいだよ」


「嬉ションしなかったのが不思議です!」


「あと、この世界観は別のお題でも出てくるのだけど、維黎ゆいれいって意外と設定好きなんだ」


「チマチマとした作業が好きなようですから。自分の世界に入ってえつに入ってるんですね。――キモいです!!」


「……次、行こうか。3日目のお題は『シチュエーションラブコメ』。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054888816920/episodes/1177354054888816965

これは苦労したっぽいなぁ」


「歴史物に次ぐ、苦手分野ですからね。"バカな維黎さっかは使えない"って感じですね。――あっ! なんかラノベのタイトルにありそうです!」


「ないよ――で、4日目は『紙とペンと〇〇』。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054888854075/episodes/1177354054888854141

これは2日目のお題に続いての同じ世界観のお話。実は主人公のフルネームが

結構なお気に入りみたい」


「このver1.01ってどういう意味なんでしょうか?」


「2日目の作品をいつか長編として書きたいかも、っていう思いがあって、それと区別する意味でそうしたんじゃないかな。短編だからⅡとするほど大げさなものじゃないという、よくわからん理屈らしい」


「ふ~ん。しょーもないですね」


「一刀両断したね。バーグさん」


「そう言えば、これもそこそこ設定か練り込まれていますね。ヘッドホンで音楽聴きながら、こんな感じかな、こんな風かな、とか考えてたのが目に浮かぶようです! やっぱりキモいです!!」


「――そろそろ手加減してあげて。この調子だと『もう書かへん』とか言い出しかねないから。次は5日目のお題『ルール』。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054888882818/episodes/1177354054888883067これはただ単に戦闘シーンを書きたかっただけという。オチもまったく考えてなくて、ここだけの話、取って付けただけらしいよ」


筋肉だるまゴリゴリの戦闘シーンは女性受けはしないネタですね。ゲーム業界自体は、プレイヤーも含めて女性の進出が増えているみたいですけど。ちなみに私の理想の男性タイプは細マッチョです! 芸能人で言えば"菅田将暉すだまさき"さん!! キャッ! 恥ずかしい!!」


「バーグさんの好みを聞いたところで、次のお題は6日目の『最後の3分間』。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054888913472/episodes/1177354054888913473

『3分』とくれば変身ものか、カップラーメン系の方向とかがすぐ思い浮かんだみたいだけど、さすがに安直過ぎると思ったらしく、いろいろひねり過ぎて変な文体になったという……」


「それっぽい雰囲気があるように書いてますけど、ぶっちゃけ、何が言いたいのかわかりずらっ!! って声が聞こえてきそう! あまり似合わないことをするもんじゃありません! プンプン!!」


「バーグさんて、自律支援機能サポートA.Iを搭載した自律駆動型汎用ロボットオートマタだよね?」


「そうですよ。この擬身体ボディは10代の女の子という設定コンセプトで造られています!」


「いや、外見そとみより支援機能なかみを気にしての質問だったんだけど。ま、いいか。害があるのは維黎ゆいれいであってオイラじゃないし。さてお次のお題は7日目の『最高の目覚め』。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054888939100/episodes/1177354054888939101

この作品で初めてレビューを書いてもらえて、ものすごーく喜んでいたなぁ」


「応援コメントへの返事もなんか変なノリでした」


「この時、午前3時から6時近くまで、女子カーリングの放送見てから仕上げまで書いたんで、徹夜のノリだったんだよ」


「アホですね!」


「……言い方」


「何かおかしいですか?」


「いや、別に。さて、どんどん行こう! 8日目『3周年』。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054888981377/episodes/1177354054888981423

ありがたいことに、これにもレビューを書いて頂きました。それに★も一杯つけてもらったみたい。本当に嬉しくて感謝してるみたいだったよ」


「初めて二桁の★付けて頂いたんですね! これも温かく読んで下さっている皆様と、目をかけてやってるこの私、リンドバーグのおかげですね!!」


「……支援者サポーターが上から目線っていうのはどうかと思うけど、気にせず行こうか。9日目のお題は『おめでとう』。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054889007422/episodes/1177354054889007506

これはあらずじでも書いている通り、本当の事ノンフィクションを元に、物語フィクションを書いたもの。めちゃくちゃぶっちゃけると、前半はフィクションで、小学校のエピソードは本当。ちなみに"西村"が旧姓で"谷"が現姓なんだ」


「カタリ、そこまでぶっちゃけても良いんですか? なんかいろいろと恥ずかしいことのような気もしますけど……」


「ここまで来たら、もういいや! と、思ってるんじゃないかな? 一応、これで最後の一区切りだし」


「――10日目の作品はこれで良いんでしょうか? なんか、あとがきみたいなノリで書いてますけど。この程度の作者様ごときが」


「良いんじゃないかな、これくらいは。むしろ『様」を付けて『~です』『~ます』口調で行けば大丈夫と思っているバーグさんの方がオイラは心配だけど」


「大丈夫です! 他の作者様のところでは自律支援サポート機能をOFFにはしませんから!!」




⚔⚚🌸




 帰りの通勤電車の中。

 ガタン、と揺れた拍子に維黎ゆいれいは目を覚ます。

 駅に到着した時のブレーキの反動で車両が揺れたようだ。プシュー、という空気が抜けるような音と共にドアが開く。

 ドアの近くの座席に座っていた為、暖気が外へと逃げ出していくにつれ、先ほどまで眠っていたことも相まって、寒気が襲い掛かってくる。もうすぐ4月とは言っても、日が沈めばまだまだ肌寒い。

 再び、プシュー、という音がしてドアが閉まる。

 維黎はキョロキョロと駅のホームに視線を飛ばして、駅名を探す。

 看板に書かれた駅名は、維黎が降りる駅とは三つほど手前の駅名だった。

 乗り過ごしていないことに、ほっと胸を撫で下ろしつつ、両腕を組んで再び目をつむる。

 そう言えば、何か夢のようなものを見ていた気もするが、よく覚えていない。ただ一つ思うことは――


(夢から覚めて『あぁ、夢か』って口にするやつなんていねーよ)



                    ――了――

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カクヨムガタリ 維 黎 @yuirei

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