楽しんでこそ。

 松本零士先生の『ケースハード(小学館)』で、『刀を鍛えるのに鉄を焼き入れする際、余りやり過ぎると折れる。足りないと曲がる』という主旨の言葉があった。
 本作の主人公は、よくぞ折れずにすんだと思う。様々な無理解、偏見を乗り越えたその精神は、肉体に例えるなら百戦錬磨の戦士のように傷だらけだろう。
 そんな当人にひとときの休息をもたらす存在に、私もなりたい。