本格・ファンタジー

日記のような文体、ゲームのような設定の小説があふれる中「この小説は本物」です。
作者は博識で文才があり、作品に臨場感があります。
棚から牡丹餅のチートで無双、楽して得してウハウハという小説に飽き飽きしている人におすすめします。

この作品の主人公は、心に深い闇をかかえています。
いじめられて捨てられた野良猫のような精神状態で生きています。
向上心や野心というよりは、飢え・渇き・怒りという感情で努力や行動をしていきます。
成長するにしたがい、達人といっていい実力を身に着けます。
それでも不利な状況では殺されてしまう程度の力なので、生きるか死ぬかピンチの連続です。
スキルや魔法で簡単に解決という展開はなく、先が読めずハラハラさせられます。

物語の世界はリアル中世の世界です。
人権も民主主義もヒューマニズムもありません。
王族・貴族・平民・奴隷がいて差別があり、弱肉強食です。
戦乱のイカれた時代で、残虐非道の悪党が悪行の限りを尽くします。
腐敗と自由と暴力の(世紀末の世界)です。
中世の人間がどういうものか、社会がどういうものかリアルに描かれています。
ディズニー型の中世風ファンタジーが好きな人は向きません。
しかし、ダークファンタジーが好きな人には百点満点の小説です。
面白く中毒性があり、先が気になります。
出会いと別れがいつも突然巡ってきます。
毎日更新を確認したくなります。

異世界世紀末救世主伝説。
主人公が長い旅路の果てで ~愛を取り戻す~ がテーマの物語です。
読みごたえのある小説を読みたい人、一押しの小説です。
ぜひ一度読んでください。
非常におすすめです。

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