月十夜 掌編集

作者 長門拓

100

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★★★ Excellent!!!

十話すべて、とても美しくてうっとりするようなお話でした。

月十夜とある通りすべて月が関係するお話で、あるときは優しく語りかけてきたり、あるときは光を盗まれたり十夜分、色々なことが起こります。

月が理由なく好きな方や、夜に軽く小説を読みたい方におすすめです。

★★★ Excellent!!!

月の発する光や色の他に、それぞれ各一色ずつそれぞれの色付けがされており大変、大変美しいです。
上質なクラシック・セレナーデを聴いているような上品な本作品。

さあ。
飲み物を手前に置いて、ちょっとだけそこの窓を開けて、月をあなたの頭の上に添えれば準備万端です。
真夜中の少し涼しい空気を吸いながら、喧騒を忘れ読み耽りたい──そんな掌の中の小さく深いお話たちに、癒されてみませんか。

★★★ Excellent!!!

作者様が見た夢を元にした、月に関係する不思議なお話たちです。
途中で夢を元にしたお話だということを忘れて、やさしい童話か幻想文学を読んでいるような気持ちになりました。
使われる言葉が綺麗で、文章も美しいからでしょうか。物語の世界に自然と入って行けます。

夢を元にした物語ということで、私もまず『夢十夜』を思い出しましたし、月の語るやさしくて幻想的なお話ということで『絵のない絵本』を思い浮かべました。
夢のお話といっても物語性が高く、全体的にやわらかで幻想的な雰囲気をまとっているのが特徴です。
子どもから大人まで広く楽しめる作品集ではないでしょうか。

語りかけてくる月、盗まれた月、孤独なロボット、月を食べた狼、月を思わせる不思議な女性……やさしくて不思議で少し切ないお話たちです。
ゆったりとした夜にこのお話を読んで、ふと見上げた窓に月の姿があったりしたなら、特別な気持ちになれそうです。

★★★ Excellent!!!

月は言わずと知れた神秘的なモチーフで、それこそ今までも絵や文章で描かれてきました。
だからこそ書き手の技術の影響を強く受けるのでは、と本作を読み気づきました。
作者様のとても優しい言葉遣いに時に涙しそうになりながら、とても優しい読了感を覚えます。私が読んだのは、月のない時間でしたが、夜になったらまた読みたい、そう思わせてくれる素敵な詩の数々です。

★★★ Excellent!!!

夏目漱石の『夢十夜』のような、幻想的な短編集です。
巧みな筆致の中、夢のような不条理さと神秘が全編を貫いています。

月という「時代や空間に関係なく、夜空を見上げればそこにあるもの」というモチーフが、この世界や人の命に関する普遍的な謎を象徴しているようで、あたたかい雰囲気の中にほんのりとした怖さも感じます。

全体を通した月の優しさに、ちょっとだけアンデルセンの「絵のない絵本」を思い出しました。
心が洗われるような、とてもすてきな作品です。

★★★ Excellent!!!

曇っていても晴れていても夜空に月が見えるのはよいものです。夢の中でも。物語の中で綴られるこの作品のお月様、とても素敵です。ずっと眺めていたくなるくらい、文章も美しくて繊細で、月の羽衣寄り添う雲のように、お話の主人公を引立てます。多くの方に読んで欲しい作品です。おすすめです!