ペン先走れば

 主人公の独白にはなんら奇をてらったものはなく、堅実で良識のある社会人を想像させる。それだけに、あのボールペンから起きた出来事の異様さが非常に際だつ。しかも下手に具体的な解説がない分ますます強い印象が盛り上がる。まるで劇薬に浸して作ったエッチングだ。
 しかし……ちょっとは誰かに書かせてみたい……。

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