体の弱い主人公の少女のもとを、少年はいつも見舞ってくれた。主人公と少年は、おはじき遊びが好きだった。
主人公が選ぶおはじきの色は、決まって赤が入っていた。
「赤が入るのはつよそうだよね」、そんな風にささやいた。
いつも五分五分で終わるおはじき遊び。
やがて少女と少年は大人になって再会を果たす。彼の手にはあの頃のように万年筆が握られていた。そして少女は、自分が何故赤いおはじきだけを選んでいたのか告白しようとして、彼にとめられる。彼は牡丹柄のおはじきを模したプレゼントを用意していたのだ。そのプレゼントとは?
そして明かされる切ない真実。
「君が赤い色のおはじきを選んだ本当の理由を、僕は知っているよ」
是非、御一読下さい。