恐らく『二番目』というお題で、不倫か? と思いついた人もいるでしょう。
ですが、ひょっとすると、大人の柵より、子ども同士の方が苦くてドロドロかもしれない。
「雄二くんのこと好きなんだよね?」とリーダー的女子に牽制され、「二番目に好き」と答えた主人公。
大人から見れば「バカバカしい」と思うかもしれないけれど、女子にとって、教室の中のグループというのは、生命線に等しかったりするんですよね……。
しかもこれを言わされたのが、給食の時間というリアルさ。
文章は短いのに、物語はなんとも言いようのない複雑さ。そして鮮明な人物描写(特にリーダー女子のやり口が)。なんというかもうすごい。☆三つじゃ足りないです。
女子グループのリーダーと好きな男の子がかぶってしまった小夜子。けっして本当のことは言えない。言ってしまったら、きっと仲間はずれにされてしまうから――。
バカバカしい、だけどその中にいる女子にとっては、とても複雑で深刻な女子グループの力関係がリアルです。
それにしても……この作者様は、かわいい部分にしろ怖い部分にしろ『女子』を書くのがとてもうまい。本当に男性なのでしょうか?? と、時々思います。
そして、女子ふたりに想われている雄二くんは、どこまで理解しているのか、そのイケメン対応が、切ない余韻にきらりと光ります。いつかどこかでふたりの想いが繋がりますように――。