後書き
― 西暦2019年6月27日
― ガニョン家ではなく執事も侍女も居ないカオス状態の我が家
「色豪騎士の負け試合 王国蕾外伝 花の名前」を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。特に応援、フォロー、レビュー、コメント下さった方々、感謝の気持ちでいっぱいです。ご意見ご感想、真摯に受け止めております。皆さまの評価、反応がとても励みになります。
この話は題名にもあるように王国シリーズの「開かぬ蕾に積もる雪」の外伝として書きました。子世代キャラの中でもソンルグレ家の三人は特に思い入れが深く、ナタニエルは「蕾」の本編から、妹二人は番外編から活躍させておりました。このローズの話は割と最近になって考えついたものなのです。
先日座談会まで書いて全ての番外編まで完結した「蕾」ですが、実はこの話はその番外編に入れてしまおうかと考えていたのです。最初はアントワーヌが娘を溺愛する様子を書きたかったくらいの軽い気持ちでした。しかし、思っていたよりも長くなりそうだったので結局外伝として別の物語にしました。書いてみたらなんと全二十九話ですものね……
才女ローズのお相手は騎士がいい、ということはすぐに決定しました。作中でミシェルもマキシム自身も言っているように文官や魔術師だと駄目なのです。アントワーヌを超える文官もナタニエルのような優秀な魔術師もなかなか居ませんからね。しかもローズには父親や兄以外に、従兄弟たちも
ですからそんな彼女は逆にちょっとワルで危険な香りのする男性に惹かれるに違いない、ということでマキシム・ガニョンという人物像が形成されました。そしてこの作品の前に連載していた「細腕領地復興記」のステファンさんとうって変わって、今の時点でシリーズ作中一、二を争うお行儀の悪い!男性主人公になってしまったのでした!
男主人公が騎士ということで最終回は騎士道大会で締めくくろうと考えていました。そんなことからマキシムはローズにはどうしても勝てないという意味も込めて題名「色豪騎士の負け試合」を思い付いたわけです。
リュック・サヴァン副団長やジェレミーと違い、騎士道大会で好成績を修められなかった我らがマキシムでした。それでもローズの愛という一番大事なものを手に入れ、義父のアントワーヌ君にも認められました。マキシムもまだ若いですからいずれはもっと好成績も残せることでしょう。
今作ではこのマキシムを嫉妬させて、ローズへの愛情を認識させるための当て馬たちが用意されました。当て馬一号、マキシム兄のティエリーさんは話の終盤で恋人ができたようです。当て馬二号ギヨーム君はどうなのでしょうか? それにしてもギヨーム君、強烈なお父さまジェレミーと弟アンリ君のもとでよくもここまで普通の人に育ったものです。彼にも幸せになってもらいたいですね。
そしてマキシム様ラブのアンリ君、もっと過激なことをさせ、言わせたくてしょうがなかった作者ですが……自分で自分を律してギリギリこの程度になりました。しかし今でも作者の頭の中ではアブナい妄想が渦巻いております。そして彼とミシェルちゃんの漫才コンビのやりとり、主人公二人の口喧嘩とともに書くのが楽しかったです。
物語後半、ローズの悩みを聞く役に「王子と私のせめぎ合い」でのゲタン・バレット医師のような人物を
今まで私は短い番外編を除くと三人称視点ばかりで物語を書いており、今作で初めて主人公視点に挑戦してみました。今作では物語中で起こるイベントが全てローズの周りでの出来事でしたので可能でした。中々新鮮でこれも楽しかったですね。
番外編を締めくくる座談会ですが、この話は聞き手を誰にするか少々迷いました。前作「細腕領地復興期」の座談会はあっという間に聞き手も開催場所も決まったというのに、作品によっては悩む時もあるのですよね。
さて、次作も王国シリーズです。次に書かれる主人公が誰なのか、なんとなく予測出来ている読者の方もいらっしゃるかと思います。七月一日から隔日更新で頑張ってまいりますので、そちらもよろしくお願いいたします。
合間 妹子
色豪騎士の負け試合 王国蕾外伝 花の名前1 合間 妹子 @oyoyo45
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