黒魔術師として覚醒した、十四歳のガブリエル・テネーブル。この物語における黒魔術師というのは非常に特別な存在であり、この覚醒は彼女の人生を大いに変えるものとなりました。
そしてもうひとつ、黒魔術師の大きな特長として、互いに惹かれあう運命の相手ともいえる、白魔術師が存在することです。
しかし、ここでひとつ問題が。その運命の相手である白魔術師ザカリーは、この時まだ生まれていませんでした。その後無事生まれてきたはいいものの、二人の歳の差は大きく、しかもザカリーは、色々拗らせ反抗期に入り、他の女性と付き合うことに。
もちろんガブリエルはショックですが、ザカリーだって、自らこんなことをしておきながらちっとも心は晴れません。やはり心のどこかで、運命の相手である彼女を求めているのです。
しかしだからといって、すぐに素直になれないのが反抗期。この歳の差カップル、果たしてうまくいくのでしょうか?
公爵家の令嬢、ガブリエルは、十四歳になったある日、膨大な魔力を持った大魔術師として覚醒してしまう。
それは百年に一度、起るか起こらないかの大事件。大魔術師に覚醒すると、膨大な魔力を体に宿すことになりますけど、何より大変なのが、自分と対になるもう一人の覚醒者と、強く惹かれあってしまうこと。ようするに、恋い焦がれてたまらなくなってしまうのですよ。
さらに厄介な事に、そのガブリエルと対になる覚醒者は、この時まだ生まれておらず、母親のおなかの中にいたのです。
いや、産まれてもいない子供に恋い焦がれる十四歳ってどういう事? そう混乱する人もいるでしょう。しかし、理屈で説明できることではないのです。惹かれてしまうものは仕方がありません!
しかし、相手も同じ気持ちと言うわけではありません。
産まれてきた男の子を、ガブリエルは可愛がりますけど、彼は次第に反抗期に入って行って、次第に冷たい態度をとるようになって。
産まれる前から愛していたのに、これじゃあガブリエルがかわいそう。だけど向こうは、その愛情を窮屈に思ってしまうのでした。しかも十歳以上も歳が離れているのですから、愛情にずれがあっても、仕方がない事なのかも。
こんな歳の差カップルの恋が、順調にいくはずがありません。だけど好きになってしまった運命の相手、ガブリエルはこの恋を、決してあきらめたりしないのです。
はたして、二人の恋の行く先は?
険しい道を行くことになりますけど、どうか頑張って!