真面目で堅物の男爵令嬢のクロエ。
恋愛にうつつをぬかすことなく勉強し、高級文官として就職を果たした彼女ですが、そこで運命の出会いを果たします。
イケメンで次期公爵の彼の名は、フランソワくん。同じ職場に勤めていても、貧乏と裕福、家柄も大きく違っていて、住む世界が違うもつい、「かっこいいな」って思ってしまいます。
今まで恋をしてなかった堅物女子ですが、人並みに男性に惹かれはするのです。
言葉を交わすたび、笑顔をむけられるたびにドキドキする様子が、とってもかわいい!
フランソワくんの方もまんざらでもないと言うか、ゾッコン? 首ったけ? もう二人、さっさとくっついちゃいなよと思うのですが、生憎事故評価が低くて、私なんかが本気で相手にされるわけないと思い込んでいるクロエ。
こんな時まで真面目に考えずに、自分に正直になりなさい!
はたして真面目女子の恋は叶うのか!?
男爵家の令嬢でありながら、貧乏故に庶民の住む地区でひっそりと暮らしているクロエ。努力の末に高級文官となった彼女ですが、同じ職場の先輩にして、公爵家の跡取りであるフランソワと親しくなっていくのですが……
というのが本作のあらすじなのですが、ここでひとつ、タイトルにある『百年後の王国物語2』の説明をしたいと思います。
簡単に言いますと、架空の同一世界を舞台として、様々な恋模様が書かれるシリーズ。
恋の形は実に様々。運命に導かれ出会った憧れの相手だったり、名家のお嬢様とそれに支える間者だったり、二股・同性愛だったりと、ビックリするくらいに多種多様。それがもう、十作を軽く越えるくらい続いています。
同じ世界観でこれだけの話を考えるだけでも凄いのに、しかも各作品間の登場人物がどこかで繋がっていて、時に、以前読んだ作品の後日談やサイドストーリーも楽しめる。作者様の引き出しの多さに驚愕します。
そんな世界観を受け継いだ本作だって、もちろんステキな恋が生まれます。
次期公爵という、端から見れば誰もが羨むような相手からアタックされるクロエですが、お堅い性格とこれまでの人生経験から決して舞い上がることなく、むしろいずれは終わるものと、どこか一歩引いた様子。そんな彼女にジレジレしながら、それでも引き下がらないフランソワ君が実に健気。彼の苦労を想像すると、頑張れと思わずにはいられません。
愛する気持ちは、この溝を埋めることができるのでしょうか?