五十音を紡いで、己が心の武器と成せ

青春という言葉がある。それは人生の春にあたる頃。
希望に満ち溢れ、理想を思い描き、異性を求めはじめる。
それが青春。そしてその裏にあるのも青春。

希望なんてない。
理想?
クソ食らえ!
欲しいものが見つからない。なりたい自分がわからない。
目指す先も見当つかない。
憤りは暴力となり、周りを傷つけ自分も傷つく。
出会った金木犀の君にも素直になれず、足掻いて足掻いて、そして歌う。

人の死なんてない。飾り立てられた感動もない。
ただ不器用な少年の荒れた日常の羅列が、どうしてここまで心を穿つのか。
それは読んで確かめてみるといい。
絶対だ。絶対に読んで確かめてみるといい。
私はこの作品に☆を10個つける。

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