小食の余り心配されるお姫様の前に現れたのは、自分の料理を食べて欲しいと言う若者。
然しこのお姫様、国中のコックが腕を振るったごちそうの前でも、何一つ食べ切れなかった程に小さい胃袋の持ち主なのです。
そんなお姫様を心配した王様は若者に、「もしその料理をお姫様が完食出来たなら、お姫様と結婚させてやる」と、勝手な約束をしてしまいます。
勿論お姫様は納得いかず、そんな約束があろとなかろうと、食べ切れないのは分かっていますが、一口も食べるものかと泣いてしまいます。
若者は料理を持って、お姫様の部屋を訪れますが……。
食べるんですよ彼女。それもあっさり。
童話のような語り口でありながら、噴き出さずにはいられないギミックが散りばめられ、オチにはまさかのあんなものが登場。いいのかそれで。いや、皆幸せなんだから、悪い筈が無い。
とは言え、王様が無茶な約束をするぐらいに小食なお姫様です。食べたはいいが食べ切れたのか、そもそも何でそうあっさり食べる気になったのかは……。読んで確かめてみて下さい。きっと、おいしいラストが待ってます。