◆第35話◆「なんだかなぁ、水没したぞ?!」

※ 一部再開!! ※


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カクヨムコンテストに、

※『のろま『タンク』と言われ馬鹿にされた「重戦士」───防御力をMAXにしたら「重戦車」(ティーガーⅠ)に進化した』


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─── 本編です ───




 ジェイクも水没し、ビィトも水の中に没する。


 ジェイクが何を言わんとしていたのかイマイチ分からないが、出来ることは何でもする。

 生きるために!!


 手だけを水面に出し魔力を籠める。

 冷たい水中のこともあり、思考が乱れるがなんとか魔法を───……。


「(お兄ちゃん……!)」


 ごぼごぼっ! と水を飲みこみそうになりながらも、エミリィがビィトに寄り添い抱締める。

 おかげで少し落ち着くことができたビィト。


 だから、撃つ───。


 ジェイクに言われたように空気をたくさん含んだ『氷塊』そいつを天井にドンドンドン!! と大量に撃ち込んでいく。

 『風刃』などの風魔法との混合魔法で、初めて使ったが、多分うまくいったはず。

 水面ごしにも、気泡を含んだ真っ白の氷が天井にびったりと張り付いていた。


 そのいくつかは剥離して流されていったがそれなりに確保できたと思う。


 しかし、これをどうするってんだ?


 疑問に感じるも、それを打ち消す様に酸欠の症状が現れ途端に視界が暗く濁り始めた。

 当然、息も苦しい。


「(ごほ、ごほ!!)」


 あわてて、空気入りの水筒を手にすると口をつけて一呼吸。


 すぅ……。


 吸って───。


 また、吐き戻す。


 全員ができているか分からないが、口に入った空気は水中に吐き出すよりある程度再利用できるので元の容器に吐き出した方がいい。

 どういう仕組みかビィトも知らないが、鉱山で働くドワーフなんかはガスだまりではこうした簡易ボンベを使っていると聞いたことがある。

 彼らが言うには、吐いた空気は外に放出するより容器内で再利用した方が息が長く続くという。

 だが無限に再利用できるわけではないらしく、ある程度呼吸をしたら別のボンベに付け替えなければならないらしい。


 それができているか水中の濁った視界の中で確認するも、リスティあたりはパニックになっているのか、うまく容器が使えず水筒の一つを早々に無駄にしていた。

 ジェイクはリズの指導があったためかなんとか空気を無駄にしていない。


「(エミリィ!)」


 ごぼぼぼ……。


 ビィトは近くで呼吸に四苦八苦しているエミリィに、身振り手振りで教えてやり、合わせてパニックになっているリスティを引き寄せ無理やり容器を口に押し込み呼吸させる。


 空気を外に吐き出そうとするも、それを許さない。

 ゼロ距離で睨み合い、自分の真似をさせることでようやく落ち着いたらしい。


 今はロープにしがみ付き水流に流されないようにしながら空気を吸っている。

 

 これで全員落ち着いたらしいが、結局は破局を先延ばしにしただけとも言える。

 だが、いつまでも空気が持つはずもなく、水がひかなければ早晩ビィト達は全滅するだろう。


 まだか…………。


 まだか……。


 一向に引く様子を見せない水にジリジリと焦りが募ってくる。

 そして、この冷たい水───。


 それだけでも、凍えそうで、水に浸かっているためロクに動くこともでき──────ッッ!?


「(ジェイク!!)」

「(なんッ?!)」


 水路が完全に水没した頃───!


 あろうことか、アリゲータフィッシュが水流に逆らい泳ぎ始めたのだ!

 すぐ近くを泳ぎ抜けていく巨大な魚影。


 ゴボボボボボボボボボ……!


 ま、まずい!!


 個体差があるようだが、水流に負けないくらい泳ぎの上手い個体が居るらしく、そいつ等が───!


「(ぐ!)」


 ジェイクが水筒を咥えたまま刀を抜き出すが、

「(何ッ!?)」


 居合で切り裂こうとした彼の刀が虚しく水を掻く。


(じぇ、ジェイクが切り損ねただと?!)


 アリゲーターフィッシュはすぐに襲うつもりがないのか、地下通路の天井付近をグルグルと回遊している。

 図体がデカいから回遊というよりもその場でスピンしているようにも見える。


 しかし、水の中での連中はさすがに地上とは違い動きが桁違いに早い。

 絶対に水中で戦いたくない敵の一種だというのによりによってこの環境で───!


「(ジェイク! 援護する!)」


 水筒を咥えて、その中で器用に発音してみたが果たして聞こえているかどうか。


 はたして、ジェイクはロープを伝ってビィトに近づき二人して背中合わせになる。

 ジェイクはリズを抱え、ビィトはエミリィを抱えている。


 リスティは適当にプカプカ浮いているが……まぁいい。


「(くそ……水の中じゃ思うように剣が抜けん!)」

「(わかってる! あまり激しい動きをすると空気が減る。だから、)」


 ゴボボボボボボボボボボボボボボボ!! 


「(───向こうから来た時だけ迎撃する!)」


 偵察を終えたらしいアリゲーターフィッシュが、ビィト達をくみしやすい相手と判断したのか、一気に襲い掛かってきた。

 数は一匹だが、その他にも何匹かが水流に逆らい突っ込んでくるのが見えた。


「(任せろ!)」


 何とか刀を抜き放ったジェイク体を半身にして構えると、

「(直線の動きなら───!!)」


 振り抜き、振り下ろし───そう言った動きは水の中ではかなり制限されると理解したジェイクは、すぐさま最低限の動きで繰り出すことのできる剣技。


 直突を繰り出す。


 それは大口を開けて突っ込んできたアリゲーターフィッシュの口に突き刺さり奴の脳を突き破った。


「(ぐぉ!!)」


 だが、巨体の突進は止まらずジェイクがアリゲーターフィッシュの口に囚われる。

 既に絶命したためか喰らいつかれることはなかったがその鋭い歯が彼を固定していたロープを引きちぎった。


「(ジェイク様!)」


 しかし、間一髪リズが手を伸ばしジェイクを引き寄せるとアリゲーターフィッシュに口に中から引き戻した。


「(ご無事で!)」 

「(当たり前だ───ッッッ来るぞ!!)」


 く!


 ジェイクを注視していたビィトの真正面から、2匹にアリゲーターフィッシュが突っ込んでくる!

 排水する水流の勢いのお陰でアリゲーターフィッシュの突進速度は落ちていたが───それでもすごい迫力だ!!


(こ、こぇぇえぇえええ!!) 


 オーガですら易々と引きちぎるその大口が、ガパァァァァアア! と開いて向かってくるのだ!

 真正面から見た奴の口ときたら、もう、飲みこんだものを絶対粉々にしてやると言わんばかりに無数の刃が螺旋状に並んでいるという恐ろしいつくりだ。


 ガブリと口を閉じられたら最後───糞になるまで絶対に出られないだろう。 


「(だけど───!)」


 ジェイクの攻撃を参考にすれば!


 って……。


「(み、水の中で何使えばいいんだよ?!)」


 え?

 氷は無理。

 水が論外……。風もダメ。

 爆破は自爆するし、火が使えるはずも───。


「(お兄ちゃん! 石ぃぃい!)」


 エミリィも反撃しようとしているが、スリングショットが水中でつかえるはずもなし。

 だから、かわりに打ってくれと言わんばかり!


「ッッ!」


 魔力充填、整形───……く、時間が!!





 ─── あとがき ───


   ※ お願いごと ※


カクヨムコンテストに、

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コキ使われて追放された元Sランクパーティのお荷物魔術師の成り上がり〜「器用貧乏」の冒険者、最強になる〜 LA軍@多数書籍化(呪具師200万部!) @laguun

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