軽快な会話劇の中にじわじわと侵食する恐怖

自称死神の少女と出会った一人の少年。
なんかかみ合わない二人の会話劇から、じっくりと物語が始まります。

まずこの部分だけでも面白く読んでいけるのですが、中盤で少年の思わぬ秘密が明かされ、物語は一気にヒートアップします。
同時に雰囲気たっぷりのホラーが展開し、物語の底に横たわるミステリーが明らかになり、物語はさらに意外な展開を迎えていきます。

軽さと重さを兼ねた独特の文体。
予想の先を行くダークな展開。
それでもキャラクターの魅力で軽快さを失わないところがなんとも魅力的。

この物語、あらすじなんていりません。
一話目から最後までしっかりと面白い作品です。
ぜひ読んでみてください。

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