濃厚、濃密な大作ファンタジー

まず第一に、技や出てくる単語の一つ一つがカッコ良い。胸の奥にある心を揺さぶられるような良さがあります。いいですよね、漢字にルビ。精霊魔法のワクワクする感じ。そういうの大好きです。

そして文章も味わい深い。ミーシャを視点としたコメディチックな一人称と、重厚でありながら淡々とした語り口の三人称が切り替わるタイミングが秀逸でした。長く読んでいてもダレない作りとでも言いましょうか。

最後にキャラクター。濃い。濃いです。主人公一味はもちろんのこと、敵キャラクターや脇役のようなキャラクターも使い捨てにしないキャラ作りが見て取れました。セリフだけで「あ、こいつが喋ってるんだな」と分かるのは明快でとてもいいですね。

外出自粛の折、盛大に楽しませていただきました。ぜひご一読ください。

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