まず第一に、技や出てくる単語の一つ一つがカッコ良い。胸の奥にある心を揺さぶられるような良さがあります。いいですよね、漢字にルビ。精霊魔法のワクワクする感じ。そういうの大好きです。
そして文章も味わい深い。ミーシャを視点としたコメディチックな一人称と、重厚でありながら淡々とした語り口の三人称が切り替わるタイミングが秀逸でした。長く読んでいてもダレない作りとでも言いましょうか。
最後にキャラクター。濃い。濃いです。主人公一味はもちろんのこと、敵キャラクターや脇役のようなキャラクターも使い捨てにしないキャラ作りが見て取れました。セリフだけで「あ、こいつが喋ってるんだな」と分かるのは明快でとてもいいですね。
外出自粛の折、盛大に楽しませていただきました。ぜひご一読ください。
「魔導機械」という文字を見て、ファイナルなファンタジーな印象を受けましたが、特にそう言うこともなく、独自の視点でファンタジーを書き込んでいて面白いと思いました。
あと、横文字の書き方がどれも素敵です。
横文字、あぁ素晴らしきかな横文字。
それに、世界全体を大きく描きながら、それぞれの国や町、人の細かい部分まで語っていくのは読みやすくて良いですね。
これからの彼等の旅路と世界(食堂も含め)の行く末が気になる所ではあります。
旅→食堂→崩壊→旅→食堂→崩壊→・・・なんて続いたらある意味で斬新で面白いかもしれません。まぁ、作中の食堂の経営者を思えば、面白くも何ともないでしょうけどね。
それでは、彼等の明日が刑務所ではないことを切に祈ります。