弟の恋愛を見守るお姉ちゃんの目線で展開する恋愛小説です。読者もお姉ちゃんと同じ第三者の立場で物語を眺めるような作りになっているのが面白いなと思いました。その所為か、読み終わった後にお姉ちゃんの弟への愛情も感じてほんわか幸せ気分になれました。
弟がお姉さんに、クリスマスに焼き鳥はどう思う? と聞くところからお話が始まります。焼き鳥は美味しいですけど、一般的にクリスマスに行くべきお店かと聞かれたら少しだけ頭をかしげてしまうのではないでしょうか。超超高級店とかでもない限り。ですが、クリスマスと焼き鳥の関係性には、心温まるお話が隠れておりました。
クリスマスだからって、お洒落な場所にする必要なんてないと思います。思い出の場所のほうがいいですよね。素敵なお話です!
ありふれた風景をうまく情感あふれるあたたかい雰囲気で描き出していると思います。ちょっとしたエピソードのひとつひとつがうまく積み重ねられていて、よい効果になっていると思います。作者の持ち味がよく出ている素敵な作品でした。
クリスマスといえばチキン。だがしかし、彼女からのリクエストは、なんと「美味しい焼き鳥屋に連れてって」その謎かけみたいなリクエストの真意が、実に可愛いらしいものでした。良いほのぼのだと思います。
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