この作品を私が初めて閲覧した時、大きな衝撃を受けたのを覚えています。
その時の衝撃は、今でも上手く言葉に出来ません。
とある田舎町の小学校の五年一組の担任里中は、ヒステリックで威圧的な大人で、五年一組の生徒達から恐れられていました。主人公の咲洲満(さきしま みつる)は友人達と力を合わせて、里中から平穏で楽しい五年一組を取り戻そうと考え、賛同してくれたクラスメイト達と団結し作戦を考える裏で資料館の小さな図書室で出会った1つ年上の少女、押切保志香(おしきり ほしか)と交流を深めていく……
私は「僕らの七日間戦争」のような作品だとイメージしていました。しかし、その予想は大きく裏切られて、自分の中でのこの作品のイメージが大きく変化していく事になります。
里中から五年一組を取り戻す……その為に行動していた満達は、里中から取り戻した五年一組が自分達の知っている五年一組では無かった事に苦悩します。
里中についていた生徒に対するイジメ、クラスの新たな支配者になろうと考えるもの、保志香の言動に対する違和感、近所の中学生の介入……かつて里中を倒せば手に入ると思っていた平穏で楽しい五年一組はただの理想論に過ぎなかったのです。
そして周りで起こる妙な事件や勃発するイジメの中で、満は少しずつ何かに気づき、そして、ある選択をします。
子供は、純粋でしょうか?大人は、歪んでいるものでしょうか?
大人の支配から逃れ、自らの意思のみを考えて行動する子供は、獣と何が違うのでしょうか?
少しずつ歪み、壊れ、暴走する子供達の行く末は?
衝撃の展開が待ち受ける、素晴らしい作品です。
1月25日 安藤栞
皆様の学校にもいませんでしたか?
まるでクラスの絶対的支配者にでもなったかのように振る舞う、恐ろしい教師が。
私もその覚えがある一人で、読み進めながら当時のことを思い出してキリキリ胃が痛くなりました。
女教師・里中の一挙手一投足にビクビクするクラスの一人になったような心地がして、俯いて嵐が過ぎるのを待つ彼らの気持ちが痛いほど理解できて、本当に怖かったです。
ところが、ホラーではないのですよ。
いや……ホラーでもあるんですけれど、カテゴリーはしっかりミステリーなのです。
担任・里中の打倒を目論む主人公・満のクラスは分裂し、更に暴走し、取り返しのつかないところに行き着いてしまいます。
息をもつかせぬ展開でありながら、じわじわと力を込められるという絶妙の加減で追い詰められていくのですが、その正体が実に謎めいている。
巧妙に姿を隠した得体の知れない存在に少しずつ精神を削り取られ、どんどん動けなくなっていくのです。
文字を目で追うだけで、喉を掴まれるような生々しい息苦しさを感じさせる筆力は圧巻の一言!
怖いのに読んでしまう、見たくないのにページを追ってしまう……誰もいない場所から視線を感じるような、そんな不気味な怖さがじっとりと侵食していく作品です。
あ、それでもホラーではなくて、ホラーも満載なミステリーです。大事なことなので二度言わせていただきますね!
理不尽な大人ってのは嫌ですね。
特に子供時代に陰湿な大人に支配されるなんて、最悪じゃありませんか。
こんな奴、ぶっ倒してやれっ、と思うわけですが……
まるで暴君のような担任里中。
彼女の支配から自由を勝ち取るため、立ち上がる子供たち。
これは小学生が友情と正義の名のもとに、悪質な大人たちに対して勇敢に闘う気分爽快な物語です……とは、簡単にいかないのが本作。
ミステリー&ホラーなのです。
怖いのです。謎ばかりなのです。なんだか全員怪しいのです。
そして、リアルかつ複雑な人間模様がこれでもかと描かれているのです。
誰が正しいとか、誰が悪者だとか。
そんな白黒はっきりした話ではないのです。
一体、この物語は最後どこにたどり着くのでしょう。
もしかして、悲劇……?
それとも……
まったく予測不可能な筋書きに端正な文章で綴られる現代ドラマは、どこにでもいるような普通の少年の素朴な視点によって紡がれていきます。
誰もが懐かしく思う、思春期に差し掛かった子供時代の不安、戸惑い、そして無邪気さと危うさが重なり合う感情の波が、読み手にじわじわと押し寄せてくる。
ストレスフリーではないけれど、それでも、続きが気になり、ページをめくる。
そんな物語を探している人、おすすめです。
物語の始まりは『大人対子ども』だったんです。
学生の頃って、おっかない先生いたじゃないですか。嫌いな先生もいましたよね?
でもそれって、いま思えば自分達が悪かったりして、あぁあの先生は自分達のために叱ってくれてたんだな、って思うこともあれば、やっぱりあれは理不尽だった、って思うこともあるんですけど。
でも、このお話に出て来る『里中先生』は、子どもの目から見たって、大人である私が見たっておかしいわけです。
自分の気に入らないものを吊し上げて見せしめにしたり。生徒達は、自分を守るためにクラスメイトを売ったりしなくてはならないわけです。
それに立ち向かうも、やはり里中は大人。手強いです。
しかし、物語は進み、今度は『子ども対子ども』の構図になるわけです。
里中という大きな敵が弱体化したことで、それまで彼女の犬として力を持っていた生徒が窮地に立たされます。
それがもうえぐいのなんのって。子どもの無邪気な残酷さ、というか、物事を長期的に見る力の乏しさ、というか、とにかく『やられたらやられた分やり返せば良い』『気に入らないやつは排除すれば良い』の精神です。
思わず里中の復帰を望んでしまったりしました。
そして、いま、物語はさらにとんでもない展開になっています!
もうとにかくハラハラドキドキして目が離せません!怖いのに止まらないです。
この教室は、一人の女教師によって支配されていた。
生徒への暴言や、怪我をしない程度に計算された暴力。絶対に逆らう事のできない彼女は、子供達にとっては怪物のような存在にすら見えているのかもしれない。
それでも、やられたままでは終わらない。そんな強い意志を胸に、彼女の横暴からクラスを解き放つため、今子供達が立ち上がる。
……なんて書くと、「ぼくらの七日間戦争」みたいな活劇を想像するかもしれませんが、違います。まず活劇と言うには、相手があまりに強いです。怖いです。そして陰湿です。
対抗手段を考えては潰され続ければ続けるほどどんどん追い込まれていきます。
しかしこのお話の真の恐ろしさは、そんな辛く苦しい戦いを終えたその先にありました。皆で力を合わせて、ようやく勝利を掴んだかに見えたその時、これまでとは違った、全く別の怪物が顔を見せるのです。
これまでにも書いていますが、この話には怖いと思うシーンが非常に多いです。幽霊や妖怪が出るわけでもないのに、ただの人間の引き起こす出来事なのに、追い詰められていくような苦しさがあり、下手なホラーよりもはるかに恐ろしいと感じました。
ですが途中で読むのを止めようとは思いません。むしろハッピーエンドを見ないと終われない。たとえバッドエンドだったとしても、子供達の行き着く先を見届けずにはいられない。そんな使命感にも似た思いに駆られます。
そんな気になる結末ですが、残念ながらこれを書いている時点ではまだ完結はしておらず、これからどうなるか全くわかりません。
ですが未完の今だからこそ、より多くの人に読んでみてほしいです。そして続きが更新されるたびに、これからどうなるのかと緊張感を持って読み進めていってほしい。たとえその先に、どんな終わりが待っていたとしても。
小学五年生の主人公、咲洲満。彼の通う小学校のクラスは、ある問題を抱えていた。それはクラスの担任、里中先生の存在。彼女はヒステリックを起こしては生徒に暴言を吐いて苦しめる、教室の支配者だった。
聞き分けのいい生徒を丸め込んで教室内の監視をさせ、生徒達の自由を奪っていく里中。いつ怒り出すか分からない彼女に震えながら過ごす毎日。
だけどこのままじゃダメだ、楽しい学校を取り戻すんだ。満達は数人の友達とチームを作り、打倒里中を掲げる。だけど……
里中は悪いヤツ。そんな里中に付き従う奴らも悪いヤツ。そんな考えを持つ者がクラスにはいた。満達は里中を懲らしめたいだけなのに、それだけでは満たされない子供達の無邪気な想いが、だんだんと暴走していって、事態は思わぬ方向へと進んでいってしまう。
悪い担任を懲らしめようとする小学生の話。これだけ聞けば可愛い話を連想するかもしれませんけど、このお話、かなりハードです。
だけど続きが非常に気になる。あっと驚くような事件や、思わず目を背けたくなるような酷い事をする人も出てきますけど、読む手が止められないのです。まだ完結はしていませんが、今後どうなっていくかが全く予想付きません。
暴走していく子供達が、どんな結末を迎えるのか?皆さんもドキドキしながら、この物語を追ってみてください。
主人公の満は、小学5年生。現在、大変学校が面白くない。
理由はひとつ。担任だ。
ヒステリックで、自分の権力を振りかざし、言葉の暴力で児童を追い詰める。
この状況を打破しようと、満たちは策を練る。
『楽しい学校に!』『みんなが喜んで学校に行けるように!』
事の発端はそれでした。
『皆が』『幸せに』。
でもね。気づくんですよ。
みんな、って誰?
幸せ、って誰の?
クラス内のパワーバランス。子どもの中での常識。『学校』という閉鎖された空間でしか蓄積されなかった知識。
それがうねりを上げて、巻き上がります。クラス中を吹き荒れます。
もう。誰にも手が付けられません。
現在はまだ掲載中なので、この暴走した状況がどのように収束するのか。それは最後までおつきあい頂き、ご自身でご確認を。