花開いた先で色彩は悦びを垂らす

愛創造

垂らされた悦びは色彩と成り開く花

 ぱかん。軽快な音色と共に出現したのは七色だ。私の視界に乱れた心臓が満ち、世界はきっと未知の再構築を始めたのだろう。ある種の根源的な力の象徴が晒され、全人類は悪夢の恐怖を超越した。盲目性とも呼べる地獄への渇望は死ぬ絶え、闇黒の時代が到来したのだ。覗き込み。覗き込まれた慈悲の女神は、自らの行いに『最悪』を覚え、遂には引き篭る決断を下す。可哀想な母なるものは性質を壊され潰され狂わされ『正しい』道を選択させられた。ああ。此れは確かに最善だが宇宙の都合で決める『愛情』か。膨張する灰色と蹄の行進。もはや見る影すらも無く、彼女は『パンの大神』に成り果てる。逃れられる術など一欠片も在らず、いあ、花開いた先で色彩が悦びを垂らすが如く、極々【当たり前】だと認識され――で。結局、君の娘は脳味噌を弄ったのかい。勿論だとも。アーサー・マッケンの言葉通り僕の愛しい一人娘は発狂の死を迎えたよ。ほら。御覧。愉快なほどに無意識で無価値な肉人形の完成さ。おいおい。肉人形だって。自分の娘に何て酷い事を! 君だって嗤って在るじゃないか。何よりも娘の誕生祝い。望んだ果実さ。大神に捧げられた愛情はクトゥルーの腸に等しい。ならば娘を犠牲に得た【もの】は楽しいものか。悲しいものか。未知なる恐怖と解せる類か。最も知りたいのは其処さ。おや。まだ説明が必要かい。随分と鈍い……そうだよ。成果は皆無。実際に弄らなきゃ誰にも――に招かれた本人以外――解らないものさ。判らないものさ。で。一人娘は呟いたのさ。垂らされた悦びは色彩と成り開く花。HAHAHA! さっぱりわからない。ああ。折角だ。世の中の技術は進化を続け、セルフな施しも――ばつん。ぱつん。繰る狂う。おお。大神よ。如何して貴様は大神なのだ。僕等は何で大神と称するのかい。答えを教えて。応えてくれよ。簡単な事さ。


 花開いた先で色彩は悦びを垂らす。

 垂らされた悦びは色彩と成り開く花。


 根源的、力の象徴、眠るには早過ぎる。


右脳左脳二等分

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