伝わる歴史が正しいとは限らない。それは現実にも言える事。

実の兄弟のように仲が良かった二人の少年が、道を違えた事から、運命が転がり落ちてゆく様を、第三者の解釈として描いている作品。
ジャンルこそファンタジーに分類されていますが、この作品はまさしく、ひとつの歴史小説と言っても良いと言えるほどに、「本当にこんな歴史が世界のどこかであったのではないか」と思わせる説得力を持っています。
皆、それぞれの想いがあって、それが噛み合わなかった故に色々とあるのですが、それが「片方から見た善が悪かも知れない。その逆も然り」「一人の視点が全てではない」という、現実にも根差した事を伝えてくれて、次はどうなるの? どうしてこうなったの? と、続きを読む手が止まりませんでした。

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