季節外れの海水パンツが意味するメッセージは……
- ★★★ Excellent!!!
クリスマスになるとデパートの中に突然現れる濡れた海水パンツ、というどこかシュールでどこか不気味なアイテムが非常にユニークで、一気に惹きつけられました。
さらにその後に出てくる「彼女はもう二十年間、三十四歳なのだ」という一人の主婦によって、物語に対する興味はますます駆り立てられます。
この季節外れの海水パンツと時が止まったままの主婦という、クリスマスとは本当に縁遠い異色の存在を組み合わせ、見事なクリスマスストーリーに仕上げている点がお見事です。
今回の企画は、「クリスマス」と「クリスマスと縁遠いもの」という正反対な二つの題材のバランスをどう取るかが非常に難しい内容だったのですが、本作はこの二つを見事に両立させている点がお見事でした。
(クリスマス×あなたが考えるクリスマスともっとも縁遠いもの/文=柿崎 憲)