もう……しょうがないなぁ……。

と思わされてしまうのが本作の凄いところです。

男の子から「君のパンツを食べたい」なんて言われたら、どう思います?
「なに言ってるの?」これが普通でしょう。
人によっては「頭、大丈夫?」あるいは「バカじゃないの?」、無言でスルーなんてこともあるかもしれません。
ラノベや漫画ですら、変態的な発言をヒロインが強めのセリフで一蹴するか、実力行使で黙らせるのが『お約束』となっています。
しかしそれを『お約束』で終わらせないのが本作。
愛の告白を期待してたのに、意中の男子から告げられたタイトル通りの言葉。
これを聞かされたヒロインは、戸惑いながらもその意味を理解しようと思考します。
その思考の変遷が実に丁寧な描き方をされているので、オチを読む頃には「仕方ないよね」という気にさせられてしまいます。
「好きな女の子が履いているパンツを食べる行為は、相手への愛情表現の一類型である」そんな哲学を本作から感じました。

――とまあ、色々と綺麗に解釈できるのですが。
このシュールな世界観に巻き込まれてみるのが一番楽しい読み方なのではと思った次第です。
最初の数行で「なんじゃこりゃー!」と思った方、最後まで読んでみて下さい。
きっと「なんじゃこりゃー!?」のままですから(^_^;)

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