希望的観測の詩
『希望的観測の詩』
呼吸をする本旨とか、何を願えばいいかとか。これに出会って世界が変わったみたいなことを言ってみたいな。でもそんなものに出会えやしないから、つい爪を噛んじゃうんだ。もっと早く気づければ。子供が大人に疑問や嫌悪を持つことは、未来の自分にそうしているのと同じなんだよ。
『偽善の詩』
知っているふりは出来ないが知らないふりは出来る。だから嘘が生まれその代わりに信用は出来なくなった。大きかった物が小さく感じるときや大好きだったものが嫌いになる瞬間に、人間は変化を自覚するのだろう。幸福そうな同年代の人を見ると思うんだ。なぜ自分はああなれないんだって。
『傍観者の詩』
逆さまの流星をラッパ傘が拾い集める。注意深くそばにいるのは、傷つけたくないからだ。見つけたものが消えたのは、誰かが見つけたという事実があるからだと信じたい。私は傍観者。いつもここで誰かを見ては評価する。勝手な願望を壊すためなんて、ヒーローぶった夢物語を呟きながら。
『言の葉の詩』
何か変だと思うなら、どうぞ笑ってやってください 。でも、どうか何がどう変なのか理解して笑ってください。人間は悲しい生き物ですが、それでも生きているのです。私を許してくれますか。言語が発達したせいで誤解を産むことしか出来なくなった私を。枯葉が散りばめられた古い言葉を。
『最高値の詩』
僕は死ねない。最高傑作の夜空を眺めてもいつ消えるかもわからなくても、それでもあなたは生きていける?過去の塀は高くなっている。逃げろってどこかで叫ぶ。世界が終わる。人の波に溺れてしまえ。人ごみの中に生きている実感がある。僕はあなたを死んでも傍で見届けると、願いたい。
「海月の詩。」 帳 華乃 @hana-memo
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