帳 華乃

　日記は続かない。だけど案外考えていることはある。 　すぐに忘れてしまうけれど、気が向いた時に思うがまま言葉にしたならば、黒歴史にくらいは成れようか。 そんな、雑記。

花よ散れ、雨よ降れ。風が吹き荒むと、物哀しげなエピローグ。『The End』が微笑む。エンドロールの始まり。物語の余白に訪れる静寂。 家の裏で勝手に咲いた紫陽花。その中心に見出す…

当初、UTAU音声が朗読する作品を創りたいと思い、構想･創作した物語となっております。 音声作品の制作は私の技術力不足で断念しましたが、物語だけでもお楽しみ頂けたら幸いです。

三十代前半、趣味は特になし。 ……強いて言うならば、苔の世話。

　ある所に宿屋があった。屋号は「縁」と刻まれていた。紅葉の頃は食事処としても解放している。 　粋な女将さんが切り盛りしている宿屋だ。