――――通り雨の降った空には虹が輝いていた。雲間からは後光が差し、それは作戦の成功を予感させるかの如きまばゆい光の筋だった。
(本文より)
日本から独立したオタクの国【アキバ】。
望んで入国したのに疲れる国【アキバ】。
子供の教育上よろしくない国【アキバ】。
そんな【アキバ】を日本に取り戻そうと
日本を愛する真面目な自衛隊員たちが
厳しいオタク化訓練を経て潜入します。
作者さんは、この作品をとても愛されています。
読み進めるほどにダダ漏れる作品愛…
ここで【作者からの返信】をご紹介します。
読者さん達からのコメントは
主人公の安否を気遣うものでした。
それに対する作者さんのお返事が…
(↓以下に引用)
――――あと二万字も書かなきゃいけないのでキャッスルに死なれては困ります。傷ついた体を癒して再び立ち上がって欲しいと思います。
――――てかキャッスル死ぬなー! 話が終わるだろー!
※キャッスルとは冒頭の【作戦】を失敗してピンチに陥った主人公の名。
そして、私がどうしてもお伝えしたいのは、
ゆるキャラ【パンタロウ】についてです。
本筋と全然関係ないのが驚きです。
【パンタロウはパンなので戦えません】
衝撃の一文でした。
えっ?餡が入ってるのは戦ってるよ?
パンとは戦う生き物だと思ってました。
何かと目からうろこな作品です。
他はネタバレになるので言えません。
言えないのです。ゴメンナサイ。
秋葉原が日本から独立!
アキバ、それはオタクが作るオタクのための国家。
かの地を日本に取り戻すべく、今ひとりの自衛官が潜入任務を開始した――
もう、全編が面白い+カッコいいエピソードばかりなんです。
どんなに疲れてる時でもあっという間に夢中になって読みふけってしまいます。
文体はあくまで簡潔・冷静。
なのに書かれてる内容が、あまりに熱くておかしくて。何度ツッコミ入れまくったかわかりません。
主人公・キャッスルのボケが、最後まで止まらない!止めるやつもいない!
可愛いキャラやアクが強すぎるキャラなどのオタクエピソードに爆笑したかと思えば、ドラマチックな友情エピソードに胸が熱くなるのを止められない。
自衛官と、ある同人作家との間に育まれた友情が、全アキバと日本を大きく揺るがしていく…!!
文句なしにおススメです。
この面白さ、絶対クセになります!!
二〇二〇年、秋葉原がアキバ帝国として、日本から独立。
日本政府は、アキバ帝国を解体するために、自衛隊員をアキバ帝国に潜入させようとするが、アキバ帝国への移住を認められるには、「オタク」として認められる必要があった。
自衛隊員である主人公は、オタク養成修行を積み、なんとかアキバ帝国への移住権を手に入れるが……。
果たして、日本はオタクの聖地・アキバを取り戻せるのか⁉
と、もう読まずにはいられない設定の妙!
アキバ帝国での暮らしは、リアリティをもって描かれ、さらに、個性的な面々が登場し……。
一話に一度はくすりと笑わずにはいられない面白さにあふれています。
個人的に、セイバーさんとオコジョが妙に好きです。あと、イチオシは菊尾さん!
果たしてアキバ帝国の運命やいかに!?
ぜひ、ご自身の目でお確かめください!
秋葉原独立戦線……私はタイトルからがっちりとハートを鷲掴みにされてしまいました。なんて胸躍るタイトル!ものすごく熱いです。
日本国から独立したアキバ帝国が舞台。
主人公がアキバ帝国へ潜入するところからお話は始まります。
とても楽しかった。真面目に語られるアキバ帝国の実状に笑ってしまい、妙にリアルで、笑ってるうちにまんまとアキバ帝国の虜になっちゃう。
登場人物もみなさんキレがあってクセがあって。やっぱみんなオタクなんで変なとこで頑固で、こだわりがあって、真剣で。一本気なところが眩しかった。愛さずにはいられないです。ちょっと憧れもしました。
笑わせてもらい、ハラハラもさせられ、終始オタクらしく、読了後はすっきり。
すこし時間をおいて、またアキバ帝国へ遊びに来ようと思っています。
楽しい時間を過ごせます! おススメします!!
数話で完結してしまったショートバージョンでは、その手のオタクの世界についていけるだろうか・・・と、多少の不安を覚えつつ読み始めました。
しかし実際に手をつけてみれば、オタクといっても客観的にとらえられてあり、ある時は一種のエンターテインメント、ある時は真面目な純文学、それら二つの要素が融合されたものだったのです。
ですから、このロングバージョンが出たと知った時には、「一話目からもう面白かったあのお話が、パワーアップして帰ってきた!」という期待で嬉しくなり、わくわくしながら読み出すことができました。
そう、面白かったんです、短編からもう。真面目に笑いをとってくる狙った感のないギャグ。この題材でも、ちゃんと人間らしく書けるんだという衝撃。マイナスの先入観を初っ端から覆してくれた作品というのは、私の中で多くはありません。
笑えるだけでなく、予想外に泣かせてくれる作品。ちょっと変わったお話も読んでみようかな・・・と思った方へ。そんな異色の世界をのぞいたあとでも、爽やかな読後感を味わいたい方に。胸が熱くなる、納得のラストが待っています。
東京には詳しくない田舎者ですが、今の東京の都市の中でも秋葉原の存在感は抜けてると思うんです。内需拡大のためのエネルギーがあふれてますし。今の秋葉原がある以上、日本という国は安泰だな、と言えるくらい。
ところが今作ではその秋葉原が独立します。東京からじゃないです。日本国からの「国」としての独立です。「山手線はどうなっちゃうの?」という疑問はさておき、外壁で領土を囲い、武装し、独自通貨を発行し、日本国と決別するのです。
中国と台湾の関係などを引き合いに出すまでもなく、現在でも国権を認める認めないで関係が冷え切った地域は世界中のいたるところにありますが、このアキバ国はシーランドなんかよりも立派に国家しています。世界にコンテンツを発信し、存在意義を示しています。
そんなアキバ国を解体すべくテロリストとして内部に潜入し、様々な工作活動に従事する主人公ですが、予想通りというかなんというか、しっかりアキバの文化に洗脳されます。気持ちとは裏腹に身体は求めてしまう、そんな感じでずるずると……
秋葉原が日本から独立して二年……
そう、秋葉原が独立したんですよ!オタクのオタクによるオタクの為の国、その名もアキバ国。
もちろん日本政府がそんな事認めるはずがありません。アキバ奪還のために秘密裏に送り込まれた自衛隊員、アキバ国内での名前はキャッスル。彼はそこで表向きはオタクとして生きながら、裏では色々奪還のための行動を起こしています。
しかし一度オタクになってしまったら色々と引きずられてしまうもの。かつて大好きだった特撮ヒーローに想いを馳せるなど、このままアキバに取り込まれるんじゃないかとおかしなところでハラハラしました。
ですがちゃんと本来の使命も忘れず、時には仲間と協力して少々過激な行動も……
果たしてアキバを無事日本に戻すことは出来るのでしょうか?終盤に語られた、そもそもアキバが独立した理由を聞いた時は、何だか少々切ない気持ちにもなりました。
オタクの街からオタクの国へ。秋葉原が日本から独立を宣言すると言う突拍子もない世界観の今作。もちろん日本側はそれを良しとするはずもなく、秋葉原を日本に取り戻すため、密かにアキバの国に自衛隊員を派遣します。
そこで自衛隊員が見た物は、オタク文化を国を挙げて推奨する、オタクにとってとっても住みやすい国でした。
テレビでは四六時中アニメやゆるキャラプロレスなるものが放送され、徐々にオタク文化に染まっていく自衛隊員。だけど本来の使命を忘れてはいません。徐々に馴染んで来たアキバですが、それでも日本に取り戻そうと、テロに近い行動も行っていきます。シリアスな展開のはずなのですが、要所要所にギャグが練り込まれていて笑えました。
だけど読み終わって思ったのは、そもそもなぜアキバは独立したかと言う事。
そこにはオタクたちの切実な想いがあって、少しウルっと来てしまいました。魔法のiランドコンテスト、オタク部門参加の今作ですが、『切ない』要素も入っちゃってますよ。
笑えて、時には感動する、オタクの街の独立物語です。