『小清水くんに教えてあげて』Han Luさま
連作短編で追わせてもらって、それをまとめたこちらは未読なのですが内容は同じということなので。
Han Luさんは他の作品も素晴らしいのですよ。ファンタジーもSFも上手なんです。短編の『ナミダ』も趣向を凝らしていてとても良かったです。ですけど私が推すならやはりこちらを。
Han Luさんは日常で誰も感じる心の襞を取り上げて表現するのが上手なのです。リアルです。そして注目して欲しいのは、こちらの連作短編における構成力。すげえです。
ミステリーのように読者に謎解きをさせるための時系列シャッフルではありません。登場人物の「思い」を軸にした構成だと私は感じました。
最後に明かされるのは、伝えられなかった淡い思いであったり、捨てられなかった希望や夢であったり、胸に抱き続けている約束であったり、傷ついた心だったり。そんなささやかなものが明かされたとき、息を呑む。感動する。
誰もが同じように過ごしている日常の一コマにスポットを当て、ドラマティックでない出来事にこそ感動という奇跡を生み出す。作家の真の力はそこでこそ発揮されるのではないか。私はそう思います。
『小清水くんに教えてあげて』
私がカクヨムですげえと思った小説12選 奈月沙耶 @chibi915
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