第4章

夏休みに俺たちは市の図書館にきていた。もちろん受験勉強のためだが、ここはレクリエーション施設があるので、息抜きも兼ねている。

「ねえねえ、お昼にしようよ~。あたし疲れたよぉー」

「私も賛成ー」

スマホを見ると十二時半を過ぎていた。もうそんな時間か。翼はこの四か月で随分自然になった。女っぽい喋りや仕草が。……いや女っぽいというよりは子供っぽいと表現した方がらしいかもしれない。だけど中身は翼のまま何も変わるところはない。家の中で人形でいる時は、”俺”というし。

「翼ちゃん、パフェ食べない?」

「食べる食べるー!」

玲子も以前より大分翼に入れ込んでいた。こうしていると姉妹みたいにも見える。

「俺この問終わってから行くから」

「はいはーい。翼ちゃん行きましょう~」

玲子は翼の手を取って歩き去った。俺は解きかけの問に没頭したが、思ったよりも難問で、時間を食った。

俺が喫茶室に入ったときには既に十二時四十五分を回っていた。だいぶ待たせてしまった。もう食い終わっているかも。喫茶室には翼と玲子のほかに見知らぬ男が同じテーブルに座っていた。

「すまん、遅れた」

「あ、きたきた。この子が進藤秀一くん」

玲子はすぐに俺を見知らぬ男に紹介した。誰だ一体?

「北高の谷崎勇一くん」

次に玲子は俺にその男を紹介した。北高。てことは頭いいのか。

「同じ三年で、ここで受験勉強してるんだって~」

なるほど……それで話を?

「よろしく。みんなはユウって呼んでるよ」

「進藤です、どうも」

谷崎は整った顔立ちをした長身で、私服もスマートに決まり垢抜けているように見えた。俺より身長が高く、袖から伸びる腕にはうっすらと筋肉がついていた。

「運動部?」

「あ、わかる?君は?」

「俺も一応。といってもそんなに体使わないけど」

俺は席について、昼食を注文した。四人座りのテーブルで、谷崎は俺の向かいに、俺の右隣りに翼がちょこんと座っていた。足が地面に届かずブラブラしている。大きなウサ耳をつけたエプロンドレスの翼は、垢抜けた長身である谷崎と比べるとまるで幼稚園児にさえ思えるほど幼く見えた。

「で、なんだっけ?安藤さんの彼氏だっけ?」

谷崎が翼にそういうと、翼は真っ赤になって首を大きく左右に振りながら否定した。

「い、いや違いますっ!そういう趣味ないんでっ!」

うっ。なんか、傷つくな……。ホモじゃないって意味なんだと俺にはわかるけどさ。その後志望先や模試の話などをしながら、俺たちは一時半ごろに谷崎と別れて図書室に戻った。

図書室に戻ると、さっき俺が二十分かかった問を二人が早く解いてしまったのに驚いた。

「あれ……それむずくなかった?」

「これねー谷崎君が教えてくれたの。すっごくわかりやすかった」

翼は小さ目な声で嬉しそうにそう言った。ふーん……さっきのやつか。まあ北高だもんな。俺たちは黙々と勉強に打ち込んだ。


息苦しい受験勉強の日々だったが、高校最後の夏でもあるし、ということで俺は翼と玲子と一緒に夏祭りへ繰り出した。浴衣に魔改造を重ねたゆるふわ甘ロリ浴衣コーデ(玲子の自信作だ)に身を包んだ翼は信じられないほどかわいく見えた。道行く人々多分全員が振り向くか視線をあからさまに奪われていた。……もっとも小動物的な”かわいい”だが。夏祭りはすごい人混みで、特に翼が心配だった俺は右手で翼と手を握った。玲子も面白がって左手で翼の手を強引にひっつかみ、翼は両手とも俺たちとつながった状態になった。

「や、やめてよ~。一人で歩けるからぁ……」

翼は弱弱しくそう主張したが、俺も玲子も手を放さなかった。周囲から「親子みたい」という声が何度か聞こえ、そのたびに翼はうーうー言って振りほどこうとしたが、腕力では圧倒的にこっちに分がある。こっちからの攻撃として、玲子と一緒にせーので翼を地面から持ち上げてやると、翼は

「わかった、わかったよぉ」

と観念した。


「あっ、わたあめ食べようよ」

玲子の提案で俺もよそ見した瞬間だった。後ろからドシンと大柄な人が結構な勢いでぶつかり、俺たちはつんのめった。

「うおっ!?」

「おっと、すいません、マジすいません」

大男は急いでいるらしく、すぐに早歩きで人混みの中に見えなくなった。いって―。俺はいいけど翼や玲子に直撃してたらどうすんだ。

「ったくもう、おい二人とも……」

俺はさっきの衝撃で翼の手を離していたことに気がついた。玲子は視界にいたが、翼がいない。

「翼は?」

「ごっごめん、手離しちゃった……」

人混みの中で名前を呼んだが、返事がない。すると玲子が急に屈んで、地面に落ちていたプラスチックのかけらを手に取った。それは……。見る見るうちに玲子の顔が青ざめていく。

「翼くんのカチューシャ……だと思う……」

地面を見ると、プラスチックのかけらが散乱していた。誰かが踏んづけて割れたんだ。カチューシャがとれて小さなプラスチックに戻っているということは、翼は……。

「人形になっちゃったんだ!どうしよう、わたしのせいで」

「お、落ち着け!俺も手を離しちまった!俺のせいだ!」

俺たちは人目を顧みず屈んで地面を這った。人形になった翼がどこかに転がっているはず……。しかしこの人混みだ。さっきの粉砕されたカチューシャの破片が脳裏に浮かんだ。誰かが翼を踏んづけていたら……。もし折れたりしてしまったら、翼は……。ゾッとした。早く見つけないと。取り返しのつかないことになる。必死に近くを探したが、翼は見つからなかった。蹴り飛ばされて草むらにでもとんだか、誰かに拾われたのか……。

「わたし、誰か拾ってないか聞いてくるね」

玲子はその辺の人に人形を見なかったか聞きながら、夏祭りの本部へ向かった。俺は屈みながら一生懸命地面を、草むらを探したが見つからない。どこにいったんだよ。くそっ、こんなとこに連れ出すんじゃなかった。俺の馬鹿。阿保。間抜け。


顔を上げると、いつしか川沿いの土手まで来ていた。花火待ちの人たちが大勢いる。いつの間にかこんなところまで来ていたのか。翼はまだ見つかっていないし、玲子からも吉報はきていない。マジかよ。嘘だろ。やめてくれ。このまま終わりだなんて嫌だぞ。出てきてくれよ……。俺は呆然と河原を見つめた。色とりどりの浴衣が並んでいる。翼も一応浴衣だったな。あのどれかが翼だったりはしないのか。しないか。いたら一目でわかるぐらい目立つ服だからな。……戻るか。振り返る際に瞳に映った一瞬の視界に、一際異彩を放つ存在を検知した。すぐにまた振り返った。人混みから離れた土手の端の方にいる二人組……あれは、間違いない!あのレースとリボン満載の浴衣っぽい何かは!……翼!

俺は全速力で一直線に駆け寄った。


「おい……翼!翼!」

甘ロリ浴衣に身を包んだ少女が振り返り、目が合った。顔を輝かせて、こっちに向かって走り出した。

「シュウ!」

俺たちは勢いよく抱き合った。俺は力強く翼の全身を抱きしめた。本物だ。生きてる。大丈夫……。

「う~、怖かったよぉ……」

翼は俺の腕の中で小さい子供みたいにわんわん泣き出した。俺は玲子に連絡を入れ、翼と一緒にいた男に視線を移した。

「よかったな、翼」

「……谷崎?」

8月初めごろ、図書館で会った、あの男だった。どうしてこいつが翼と一緒に?

「あ~、いた~!」

玲子が息を切らせながら到着した。

「はぁはぁ……翼くん……よかった……ふぅ」

翼が泣き止んだので、少し腕を緩めて翼を見た。よくみると服はボロボロで、リボンや浴衣もいろんな箇所が「砕けて」いた。破れているのではない。やはり人形化していろんな人に踏まれたり蹴られたりしたのだろう。本人の体が無事で本当によかった。

「あれっ、谷崎くん!?」

「やあ。久しぶり」

「谷崎くんが見つけてくれたの?ありがとう、本当にありがとう」

玲子は谷崎に何度もお礼を言った。俺も谷崎に礼を言った。だが一つわからないことがある。なんで翼は今人間に戻っているんだ?服やアクセはボロボロだし、顔も汚れていた。翼はいつ見てもかわいいが、今の状態はこれまでの基準だとアウトのはずだ。

「いやー、しかし驚いたよ。人間が人形になるとはね」

谷崎。こいつが何かしたのか。

「そんな怖い目で見るなよ。何もしてねーから」

「あっ……いや、すまん」

いつの間にか谷崎を睨みつけていたらしい。そんなつもりはなかったんだが。翼は俺の胸に顔を埋めたまま黙っていたので、そっちからは事情を聞けそうにない。

「まあ、何にせよよかったよかった。な、翼」

谷崎は去り際に翼の頭を軽くポンポンと叩いた、翼はビクッと震え、すぐに耳が赤くなった。谷崎は次に俺の耳元に口を近づけ、小声で言った。

「手ェ離してんじゃねーよ」

俺は何も言えず、黙っていることしかできなかった。


5分ほどすると、花火が打ちあがり始めた。翼は体は俺に預けたまま、顔だけ振り向かせて花火を見ていた。花火に照らし出されたその小さな顔は、なんだかとても儚くて朧気に見えた。それを守ってやれなかった自分自身に腹が立った。大きな花火の光で、ボロボロになった翼の浴衣が明白となった。「ヒビ」が入った汚れた浴衣が、俺の罪悪感と無力感を刺激する。翼の体を抱きしめる腕に力がこもる。もうこんな目には遭わせたくない。手足も動かせず、声も出せず、巨人たちに蹂躙されるのは俺には想像もつかないような恐ろしい時間だったに違いない。翼がどんな気持ちでいたかを考えるだけで胸がギュッと押しつぶされそうだ。そして、翼とは比べ物にならなかっただろうが、俺も怖かった。翼を探している間ずっと。このまま翼と二度と会えなかったらどうしようと、もしそうなったらと思うだけでゾッとする。まるでこの世の終わりのように感じた。翼は小さいころから一緒にいた親友だ。大事なのは当たり前だ。でも、この気持ちは同性の親友を想う気持ちではないのはもはや明白だった。翼が好きだ。離れたくない。


花火が終わり、俺たちは帰途についた。俺は新たな決意のもとに翼の手を強く握りしめながら歩いた。

「それで、結局なんで人間に戻れたんだ?」

「あ……それは、その……えぇと」

翼は目をグルグルさせながら明後日の方向に顔を背けた。顔が紅潮し、口をもごもごさせている。恥ずかしくて言えないといった雰囲気だが……。やはり谷崎と何かあったのか。その時、ボワンと鳴って、翼は煙に包まれた。俺の右手が掴んでいた儚くて柔らかい肌の感触が消滅したが、次の瞬間には細く固い物体を握りしめていた。煙が晴れると、俺の右手は汚れた翼の人形を握りしめていた。今度は離さなかった。

玲子が翼を手持ちの鞄に入れて閉じると、中からもぞもぞと翼が動く気配がした。

「お姉ちゃんに話してみなさーい」

玲子は鞄を自分の耳にピッタリとくっつけて、翼の言葉を聞いていた。玲子の顔は一瞬パァッと輝き、段々とても楽しそうなにやけた顔に変化していった。

「翼君、谷崎君とキスしたんだって~!」

「……は?」

「ちょっ……おい!言い方!」

鞄の中から翼の抗議が上がった。なんで……翼が?あいつと?

「事故!事故なんだって!」

翼が言うには、何人もの人に蹴り飛ばされたり踏まれたりしてボロボロになった後、草むらに転がっていたところを、通りがかった谷崎が拾い上げてくれたらしい。この時点ではただの人形の落とし物だと思われていて、谷崎は本部へ届けようとしていたようだ。草むらから出た瞬間に、急いでいたらしい大男とぶつかり、宙に投げ出され、落下した時偶然にも……ということらしい。

「なるほど~!全然思いつかなかったよ~!そっかー、呪いは王子様のキスで解けるんだね~!」

「ちょっ……馬鹿やめろ!俺は男だぞ!王子とキスなんかしたくねーよ!事故!事故だったんだよぉ!」

玲子はこの話を聞いて大分テンションが上がっていた。一体何が面白いんだ。俺は面白くない。翼があんな男とキスした?なんでだよ。ずっと翼の面倒を見てきたのは俺なのに。あいつの”王子”は……俺じゃないのか。理不尽だという思いがこみ上げてくるが、同時に俺の中の冷静な心が自身に語り掛けてきた。”手を離して翼を危険な目に遭わせたんだから、当然じゃないか。それを助けたのは谷崎だろう”と。そうだ。俺に怒る権利は……ない。とはいえ、ふつふつと怒りが湧くのは止められそうもない。

「じゃあ、ちょっと試してみましょうかー!」

玲子は鞄から翼を取りだした。玲子の視線にさらされた翼は物言わぬ人形と化し、抵抗も抗議もしない。玲子はためらうことなく、自分の唇に翼をピトッと当てた。俺はあっけにとられて、無言でこの一連の行為を見ていることしかできなかった。ボワンと煙がたち、翼は人間に戻った。

「お!?……おお1?」

玲子はちょっと意外そうな顔を見せたが、すぐに心底嬉しそうな表情に戻った。

「やっ……やめてよちょっと!もー!」

翼は顔を赤くして玲子をポカポカ叩いていたが、その光景は小さい妹が姉に駄々をこねているようだった。

「あっはっは、ごめんごめん」


風呂から上がった翼は、水玉模様のパジャマを着た人形になってテーブル上に転がっていた。

「あーあ……バッカみてぇ」

「どした?翼?」

「だってさ……誰でもいいからキスすりゃ人間になれるんならさ、別にかわいい格好とか女言葉とか、いらなかったんじゃんか。……マジで馬鹿みてー」

誰でもいいから……か。まー、翼の気持ちはわかる。恥を忍んでやってきた努力が無駄だったなんてショックだよなぁ。……とはいえ、誰かと定期的にキスして人間であることを保つってのも、なかなか難しいんじゃなかろうか。玲子とキスしてから一時間ぐらいで人形化したからな。かわいい格好や女言葉抜きでキスだけで日中人間を保とうと思ったら頻繁にキスする必要がありそうだ。正直もはやそっちのが恥ずかしいのでは?と思ったが、今日は翼にあれこれ言うのはやめよう。

とその時、翼のスマホから音が鳴った。翼がスマホに跨って腕を大きく動かしながら操作した。電話らしい。

「あっ……もしもし、ユウ?」

ユウ?って誰だっけ?……ていうか翼、声高くね?

「うん……うん、大丈夫。今日はありがとねっ」

ああ、谷崎か……。つーか今人形なんだからそんな幼女みたいな喋り方する必要なくね?さっきまでお前が言ってたのはなんだったんだ?というかお前らいつから下の名前で呼び合うようになったんだよ?

「えっ、ホントッ?次の日曜?……うん、空いてるっ。へーきだよ!……うん……うん。わかったー!楽しみにしてるねーっ」

翼は終始、アニメ声の領域に片足突っ込んだ高く甘ったるい声と喋り方で谷崎と電話していた。表情はとても明るく、楽しそうだった。

電話を終えた翼は、クローゼットから、さっき無駄な努力だったと断じたはずのめちゃかわコーデを引っ張り出して、鼻歌を歌いながら組み合わせを選び始めた。

「女言葉もういらないんじゃなかったのか?」

翼は見る見るうちに紅潮したが、すぐに言い返した。

「ほら、ユウは俺のこと女だと思ってるから!いきなり男口調になったら変だろ!うん!」

まるで自分に言い聞かせているかのように。そしてまた服をいじりだしたので、俺は聞いた。

「……で、それは?」

「ユウとねー、今度の日曜一緒に映画に……」

小さい女の子みたいな口調で喋り始めたが、俺の顔を見るとだんだんトーンダウンして、顔をさらに赤く染めながら下を向いた。

「……お礼!お礼だからな!これは!」

「いや、俺何も言ってないけど」

翼は黙ってうつむいたが、数秒するとまた服をいじり始めた。そんなに楽しみか?あいつと映画に行くのが?

「……別にそこまでかわいい格好をする必要はないんじゃねーの?」

「あっ、いや、その、ほら、お礼……だからさ、カワイイ方がユウも嬉しいだろ!?俺も男だからさ、わかるんだよ!」

顔からかなりの汗を流しつつ、翼は必死に男アピールを綯交ぜながら言った。

「あーはいはい、そうですか」

「あれ?シュウなんか怒ってる?」

「いや、別に」


俺たちは床に就き、部屋の明かりを消した。今日は疲れたな……。本当にいろいろあった。目を閉じると、ふいに翼が話しかけてきた。

「今日はありがとな」

「何が?」

「探してくれてたんだろ?」

「当たり前だろ。……俺の責任だしな」

「シュウは悪くねーよ。俺がこんな変な体だから……。いっつも迷惑かけてるよな」

「いや。そんなことねーよ。お前と一緒にいると楽しいし。困ったときはお互い様だろ」

「……サンキュ」

しばしの沈黙の後、再び翼が口を開いた。

「俺もな、お前といるの好きなんだよ。俺が素でいられるの、お前の前だけだからな」

その言葉を聞いて、俺は嬉しくなった。あいつも、俺を特別に想ってくれている。しかし同時に、あるジレンマに陥った。俺は翼が好きだ。谷崎に対して見せたあの可愛らしい言動を俺にも向けて欲しい、と思う。でも、翼にとって俺は自分が男でいられる唯一のパートナーなんだ。女として好きだなんて、とても言い出せない関係だな。そういう点では、何も後ろめたいところなく、翼を女として扱える谷崎が少し羨ましく、同時に恨めしく感じる。だけど、翼を本当に理解し、かつ翼も本当の自分を見せられる相手は俺だけなんだ。谷崎にはできない。

「もう寝るわ。お休み」

「おう」

再び静寂が支配した。俺は目を閉じて考えた。なんで翼はあんなに谷崎とのデートを楽しみにしているんだろう。谷崎がイケメンなのは認めるが、翼は普通に女が好きだったはず。……映画だっけ。映画なんて男時代によく一緒に……そういえば人形になってから行ってないな。翼に日常生活を取り戻させることに精一杯で、どっかへ遊びに連れて行ったりしたことなんてないな。この夏祭りが初めてだったかもしれない。翼がなんであんなにウキウキしているのか、その一端が理解できたような気がした。

俺も行こう。翼と一緒に。どこがいいかな。楽しいところがいい。いや受験勉強しねーと。……一緒の大学行けるといいな。今後のことに思いを巡らせながら、俺と翼は眠りについた。

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