日和-08 食事日和

━━━━深夜2時頃


「おなかすいたな・・・」

深夜はほんとに昼間と比べてお腹がすくの早いよな。

 お腹すいたのはいいけど、食べ物あったかな?ラーメンはちょうどなくなってるし、今あるのって、白米と食パンくらいなんだよなぁ。

 んー、チャーハン食べたいな。でも、この時間は店は空いてないし、自分で作れないしなぁ。って、チャーハンって焼飯って書くんだし、ご飯焼くだけでそれっぽくなるのかな?やってみようかな。ちょうどゲームの更新データダウンロード中で時間かなりかかりそうだし。


 さて、作るのはいいけど、インスタントラーメン以外の料理を作ったことないんだよな。ま、焼くだけだし大丈夫だろうけど。作り方とかは調べるのめんどくさいから適当で。

 油があったほうが焦げつきにくいって聞いたことあるから、とりあえずフライパンに油を適当な量入れて、ご飯を投入。醤油を適当に入れたらしばらく焼いて・・・あれ?焼くって言うのかなこれ。まぁいいか。バチバチ音が鳴り出したら、胡椒をふりかけながら、チーズを入れてしばらくかきまぜて完成!


 さて、できたのはいいけど、大丈夫かな?アニメとかなら大体こういうとき物凄くまずいんだけど。でも、醤油かけご飯を焼いてチーズを入れただけだし、大丈夫だろう。多分。

「い、いただきます」

 ん?んんん?ん?あ、美味しい!よかった。チーズ入れたのは正解だったね。

 いやー、私にも料理できたんだね。家庭科の調理実習とかでも皿洗いくらいしかしなかったから、カップ麺たちを除いたら、人生初の料理かな?って、これは料理と呼んでもいいのかは知らないけど。ご飯に醤油と胡椒とチーズをいれて焼いただけのものだけど。まぁいいや。



 さーて、夜食も食べたことだし、ゲームの続きするかー。・・・んー、やっぱりどうしよう。見たいアニメもあるし、この前買った本も読みたいし・・・

 だーもう、誰か、ポケットのついた青いたぬk・・・じゃなかった猫のロボットどこにいるか知らないかな?その子にちょっと分身できるハンマー貸してほしいんだけど。って、絶対無理だけど。

 いや、でも、0点じゃないけど、私、テストの点数低いし、ひょっとしたら机の引き出しから出てきたりするかな?って、それには”いじめられっ子”という条件も必要だったな。しかもそもそも、私の使ってる机、机に引き出しなんてないんだけどね。


 いつまでも実現するわけのないこと考えてないで、何をするか決めないとな。ちなみに、「寝る」何て選択肢はない。だって眠たくないもん。

 よし、アニメ見よっと。




「あー、眠い・・・」

 現在時刻午前5時30分。あぁ、もう少しで学校が始まってしまう。

 よし、今日は早めに朝食を食べて、早めに学校に行って、早めに寝よっと。ということで何か食べ物ないかな・・・

 おにぎりがあった。いつ買ったやつか忘れたけど、賞味期限過ぎてないし大丈夫でしょ。

 そういや、おにぎりって、本当にいろんな味があるよね。私は基本、昆布一択だけど。鮭とか、たらことか、明太子とか、ツナマヨとか、おかかとかね。そういやこの前、”卵かけご飯風”のおにぎりがあって試しに食べてみたんだけど、いまいちだったなぁ。卵かけご飯は卵かけご飯で食べるのが一番なんだねやっぱり。



 さーて、学校という名前の寝室についてしまった。

「あ、綾乃あやの、おはすみなさ〜い」

「あー、日和ひより、おはすみなs・・・って、寝ちゃダメ!!というか、おはすみなさ〜いって何!?おはすみなさ〜いって【おはよう】と【おやすみ】混ぜちゃいけないでしょ💦あぁ、もう寝てる・・・寝付き早すぎでしょ」


━━━━━━━━(みらい視点)

 日和先輩は、ここのクラスだったよね。他のクラスには問題を起こさなければ入ってもいいらしいから、入っちゃっていいよね?で、でも、誰かに話しかけられたら・・・でも、せっかく話せる相手ができたんだし、行こう。

 えーと、日和先輩の席はどこなのかな?あっ、いた。

「日和先輩、日和先輩。ダメだ、起きない」

どうしたのかな?疲れているのかな?

「あれ?みらいちゃん?どうしたの?」

「ひゃっ!?あっ、えっと、その、あの、」

案の定、誰かに話しかけられてしまった。

「とりあえず落ち着こうか」

「は、ひゃい」

「いやいや、そんな緊張しなくても」

「え、えっと、あなたは確か・・・」

「あぁ、綾乃だよ」

「綾乃先輩ですね」

声がまともに出てないような気がする。ちゃんと声届いてるかな?

「そそ、んで、日和に用があるなら、昼頃に来れば起きてるよ」

「あやにょっ 綾乃先輩、日和先輩どうかしたんですか?」

噛んでしまった・・・

「あー、日和はね、学校が寝室らしいから、今は単に睡眠中ってことかな」

「しょうだったんですにぇっ、体調が悪いとかじゃなくてよかったです・・・」

前半噛みすぎてしまった。後半はなんとか言えたけど、もうそろそろ1週間分のコミュ力持っていかれそうなんだけど。

「ま、昼頃にまた来たらいいよ」

「分かりました、ありがとうございます」

また小声になってしまった。聞こえたかな?



━━━━━━━━(日和視点に戻る)

ふぁ〜、寝た寝た。

「あ、やっと起きた。みらいちゃん来てたよ」

「起こしてくれたら良かったのに」

「起こしてたよ、みらいちゃんが」

「そうなの!?なんかみらいに悪いな」

「もう昼だし、みらいちゃん誘って食堂にでも行かない?」

「いいね!そうしよ」


 懐かしいなぁ、1年のところ。そういや、みらいのクラスってどこだろ。

「ねぇ、綾乃、みらいのクラス、分かる?」

「あっ」

これは綾乃も分かんないパターンだ。

「どうしよっか」

「大丈夫、大丈夫、探してる相手はみらいちゃんだよ、すぐに見つかるよ。転校生なんだから、何人かに聞いていけばわかるよ」

すごいな、誰かに聞くって私、思いつきもしなかったよ。まぁ、思いついてもやらないけど。

「ねぇねぇ、この前転校してきたみらいちゃん、どこに居るか分かる?」

「えーっと、1-3に居ると思いますよ」

「1-3ね、ありがとう」

すごいなぁ。私、基本的に話しかけられたら普通に対応することはできるけど、内心すっごい死にそうになるのに。しかも、自分から話しかけるとか。

「今の人、知り合い?」

「違うよ、全然知らない人」

ダメだ。コミュ力高すぎるだろ。

「とりあえず1-3に行ってみようよ」

「そうだね」


 1-3に到着!って何だ?あの人だかりは。

 ・・・ん?あれ、人だかりの中心はみらい!?なにかあったのかな。って、転校生・・・人だかり・・・あー、なるほど。

「アニメとかで転校生は人に囲まれることがよくあるけど、まさか現実で見ることになるとは」

「あれ、何の人だかりだろう?」

「みらいに集まってきた人たちだよ」

「えっ!?みらいちゃん、人と話すの苦手だから助けてあげたほうがいいよね」

「そうだね」

と、みらいのところに行こうとしたとき、みらいがこっちに気づいた。一瞬驚いて、その後まるで絶望的状況で何かの救世主が現れたような嬉しそうな顔をして、その表情を見た周りの人たちが「可愛えぇ」と声なき声を出しながら微笑み、それを見たみらいがさらに怖がって、こっちに小走りできた。

「日和先輩!来てくれたんですね。あの人達が日和先輩のところに行こうと思ったところで集まってきて、動けなかったのです。あ!綾乃先輩も!」

さっきまでの怯えきった表情とは対象的に凄く明るい表情で話してる。って、綾乃、「気づいてなかったの!?」とでも言いたそうに苦笑いしてる。

「みらい、食堂で一緒に昼ごはん食べる?」

「いいんですか!?」


「注文してくるよ、二人とも、何がいい?」

「カレーにトッピングチーズで!」

カレーにチーズ入れたら美味しいよね。

「OK、みらいちゃんは?」

「私もそれで」

「OK、買ってくるね」

「それじゃあ、私達は席の確保しておこうか」

「はい」


 極力、人が少ないところでって探してたら端っこになっちゃったな。

 ん?何か綾乃がこっち来てと言わんばかりに手招きしてる。あ、3人分だから持てないのか。

「ちょっと料理取ってくるね」

「あ、私が行きます」

「いいよいいよ、みらいはここで席の確保しておいて」

「そうですか、分かりました」

さーて、取りに行くか。


「お待たせ」

「3人分は持てないからなにか持っていって」

「じゃあ、カレー持っていくね。綾乃、うどんだから、こぼしたら大変だし」

「そうだね、ありがと」


「「「いただきまーす」」」

うん、当たり前だけどやっぱりレトルトカレーより美味しい。

「そういや、みらい、午前中に来てたみたいだけど、どうしたの?」

「この前教えてくれたアニメ、全部買って見ようとしたんですが、どれから見たらいいのか分からなくて・・・」

「えっ、ちょっとまって、全部買ったって日和がいくつみらいちゃんにおすすめしたかは知らないけど、全部買ったの!?」

あっ、普通ならこの反応になるわけか。私はこの前みらいの家に行ってきたから全部買うことくらい余裕だってことは分かってるけど、何も知らなかったらこうなるよな。

「そうですよ、DVDとブルーなんとかってやつの2種類あるやつも全部買いました」

「えっと・・・日和、DVDの値段は?」

「大体、1枚6000円くらいかな。Blue-rayなら、7000〜8000円くらいかな」

「それで、1枚にどれくらい話が入ってるの?」

「大体1枚に2話入ってて、それが12話分だから、1つのアニメで大体6枚だね」

「ってことは、1つのアニメでDVDを揃えたとして、36000円!?」

「そうなるね」

「それて、日和はいくつ紹介したの?」

「んー、10個は超えてたな〜」

「10ってことは360000・・・」

綾乃の顔が青ざめていってるんだけど。

「みらいちゃん、お金、大丈夫なの!?」

まぁ、そうなるよな。

「え?あ、はい。大丈夫ですよ。そう大した金額でもなかったですし」

「36万が大した金額じゃないの???」

あっ、綾乃、深く考えるのはやめようと、意識をそらしてる。

「えーっと、本題に戻るけど、見る順番は何でもいいんじゃない?あ、でも1期と2期は順番間違えちゃ話がわからなくなるけど、そうじゃなかったら、面白そうっておもったのを見ていったらいいと思うよ」

「そうですか、日和先輩の特にこれ!って感じのおすすめはどれですか?」

「うーん、悩むなぁ。じゃあ、能力者達のやつとかは?」

「あれですね!」

すごっ。通じた。パッケージだけでも見てたのかな?

「綾乃先輩はなにかおすすめのアニメ、ありますか?」

「え?私?私はあんまりアニメ見ないよ。あ、前に日和と一緒に見た喫茶店の話・・・なんだっけ」

綾乃、一瞬ビクッとしたw意識そらしすぎでしょ。喫茶店の話か。2つ思いつくな。モフモフか属性喫茶か。

「なるほど、分かりました!とりあえず、今日帰ったらその3つを見てみますね」

あ、喫茶店のやつ、両方入れたな。というかみらい、購入が早いのはまぁ分かるけど、勉強早いな。



━━━━━━━━帰宅

「やーっと帰ってきたーーー」

ん?SNSの個人トークに通知が来てる。珍しいな。大体グループトークかタイムラインで話すのに。


「・・・・・・」

うーん、どうしよう。内容は、陽香はるかからまたみんなで何かしくて、考えてみて、お菓子作りやってみたいからみんなでやりたいけど、材料とかが無いらしい。そして何より作る場所がないから、私の家でできるか?って内容だけど、私の家、何にもないぞ。

「ちょっと待ってて>

 <了解なのです!」

返信はやっ。さて、どうするか・・・

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