日和-04 買い物日和
「(いゃぁ、楽しかったなぁ・・・)」
授業中、オフ会の事を思い出していた。というか、月曜日ってすごく長く感じる。多分世の中の学生の90%以上の人は共感してくれると思う。
「おい、秋葉が午前中なのに起きてるぞ」
「ほんとだ。明日、地球が終わるんじゃない?」
小声で私の事を言っているのが聞こえた。私が午前中に起きてるなんてすっっっっごく珍しいけど、地球は終わるわけない。今起きてるのは、昨日、12時くらいに寝落ちしてしまって、珍しくあまり眠くないからだ。
しかし、月曜日&午前授業はかなりだるい。普段の睡眠時間にあたる午前授業に起きてるからなおさらだるい。
「テスト返すぞー」
この前やった数学の小テストだ。これは、午後にあったから私も受けている。
「秋葉ー」
あ、呼ばれた。さてさて、結果はー・・・(予想;50点中5点かな)
7点‼やった!予想より2点も高い‼100点満点に直すと・・・14点‼ほぼ15点だ!
「~~、~~、~~、~~、~~、~~、~~、~~・・・」
「戸田ー」
おっ、
「5月の始めにある次のテストは、今回の小テストからでる問題もあるから、しっかり復習しておくように」
マジかよ。またテストあるのか。次のテストは、100点満点のガチのやつらしい。嫌だなぁ。
キーンコーンカーンコーン
数学の授業が終わって休み時間になった。
「綾乃!見て!7点だよ7点!すっごい高得点取れた!」
「
「綾乃はどうだった?」
「私は32点・・・ちょっと時間が足りなかった」
「100点満点に直すと・・・64点!?って、綾乃は頭いいから低い方なの?」
時間が足りなかったって・・・私なんか、解けそうな問題がなくなったら即寝てたような気がする。
「私、全然頭よくないよ、でも、低いのは事実だしどうしよう・・・」
「大丈夫大丈夫!私にしてみたら、32点なんて夢のような点数だよ。すっごい高い点数なんだから大丈夫だよ!」
「そ、そうだよね・・・」
キーンコーンカーンコーン
次は国語かぁ・・・あれ、なんだか意識が・・・・・・
「日和!お昼だよ!」
「ふぇっ、国語は?2時間目の国語は?」
「何いってるの。日和は国語の授業が始まってすぐに寝てしまっていたよ」
「そうなんだ・・・」
やっぱり午前授業は体に負荷が大きすぎたようだ。微妙な時間に寝てしまったから、目が覚めないなぁ。
っ!?
えっ、今流れてる曲、私が持ってるゲームのBGMのボーカルアレンジのやつじゃない!?
私の学校は、昼の時間帯に音楽が放送で流れているんだけど、いつも、歌手の人とかの曲しか流れないから聞き流しているけど、これは絶対あれのボーカルアレンジの曲だよね!!
まって、なんかテンション上がってきた!!普段家で何回でも聞けるけど、流れる可能性がすっごい低い学校の放送で流れると嬉しい。というか、ホントにテンション上がる!
あの曲のおかげか、それまで少し眠かったが、全然眠くなくなった。音楽ってすごい。当たり前のことだが、別のことを考えていて、授業の内容は覚えてない。
キーンコーンカーンコーン
「おーわったぁー」
いやー、長かった。ほんっとに長かった。いつもより5時間くらい長かったように感じたよ。実際いつもより起きてて長かった時間は、1時間ちょっとだけど、感覚的には5時間くらいだ。
火曜日と木曜日は部活があるけど、今日は月曜日だから、部活はない。今日帰ってからなにやろうかなー?
「綾乃、一緒に帰ろ」
「ごめん、日和。今日生徒会あるから・・・」
「そっか、じゃあね」
綾乃は、生徒会の学年リーダーらしい。だから、他の生徒会役員より少し忙しいらしい。
校門を出て少ししたとき、足に誰かがくっついてきた。
「・・・お姉ちゃん 日和お姉ちゃんだ・・よ・・ね?」
えっ、
「えっ、どうしたの沙侑?」
「学校から出たら、日和お姉ちゃんが居た」
「えっ」
どゆこと!?
って、あっ、そういえば、私が行っている高校、すぐそばには小学校と中学校もあったんだっけ。なるほど、下校時間が同じ同じだったってことか。私は、高校からこの近くに来たから、小中学校のことはあんまり知らないんだよなぁ。
「一緒に帰ろ」
なんとなく予想してた言葉がきた。
「私はいいけど、友達とかと帰ったりしないの?」
「友達は・・・まだ・・・」
あっ、これは言わない方が良かったかな。でもまぁまだ4月だしね。
「じゃあ、一緒に帰ろうか」
「うん」
沙侑に合わせて帰っているから、かなりゆっくり歩いて帰っていた。多分、普通に帰っていたら、もうとっくに家に帰りついている時間だろう。小1と高2だからね、一緒に帰っているから、小1の速度に合わせないとね。
「もしかして、沙侑?あと、日和さん?」
ん?誰だ?
あっ、
「なんで2人が?」
まぁ、そうなるよね。普通、小学校と高校生が一緒にかえるなんて考えにくいよね。
「学校から帰ってたら、沙侑と会ったんだよ」
「なるほど」
「そういや、制服着てないみたいだけど、学校は?」
沙弥は「え?」って言っているような表情になった。
「学校は行きましたよ。今は学校から帰って、買い物に行く途中です」
あっ、そういえば沙侑に合わせて帰っていたのを忘れてた。普通に帰ればまぁ、買い物に行くこともできるか。
「私もそろそろ買い物に行かないと冷蔵庫の中身が0になりそうだから、私も一緒に行ってもいい?」
「大丈夫です」
あっ、でも沙侑と帰っていたんだよな。
「沙侑、買い物に一緒に来る?来ないなら、私は家に帰ってから買い物に行くけど」
「行く」
よし、じゃあ3人で行こうか。
「沙弥は、いつも買い物に行っているの?」
「はい。お父さんとお母さんは仕事で忙しいから、私が家事の大半をやっています」
すごいな。私が中2のときは家事なんて何一つやってなかったよ。今は一人暮らしだから、全部自分でやらないといけないけど。
「沙侑はついて行ったりしてるの?」
「うん」
「そういや、いつもどこで買い物してるの?」
「ちょっとのときは、家の近くの店だけど、月曜日は、スーパーで安売りをやっているので、スーパーで一週間分の買いだめをします」
「思ったより到着に時間がかかったね」
「沙侑と行くときはこれくらいの時間です」
「そうなんだ」
さーて、夜食用のラーメンと、食材を買わないとな。そういや、お金あったっけ?
あっ、あった。これで忘れてきてたら何しに来たんだって話になるところだったよ。
「ありがとうございましたー」
よし、買うもの買ったし、えーっと、沙弥と沙侑はどこに行ったかな?
「日和さんも買い物終わりましたか?」
あ、沙弥はいた。あれ、でも、沙侑は一緒じゃない。どこかに行っているのかな?
「うん。私も今終わったとこだよ」
「ところで、沙侑を見かけませんでしたか?」
えっ、沙弥がどこに行ったのか分からないってことは迷子とか??
「いや、見てないけど」
「気がついたら沙侑が居なくなってて・・・」
なんか、昨日と同じようなことになってるような気がする。
「最後、沙侑とは、どこらへんで一緒だった?」
「すみません。迷惑かけてしまって。最後・・・野菜を売っているところです」
「よし、じゃあとりあえず行ってみよう」
「この辺り?」
「そうです」
うーん、居ないなぁ。ここから移動したか、沙弥が覚えてないだけで、ここ以外の場所ではぐれたかもしれないな。
《迷子のお知らせをします》
私と沙弥は、放送に耳を傾けた。
《小茉莉 沙弥さんのお連れ様。迷子センターまでお越しください》
Σ(゚ω゚)ファッ!?さ、沙弥!?
「え、どういうこと、沙弥はここにいるのに」
「私のお連れ様っていないんだけど」
《失礼しました。小茉莉 沙弥様、至急迷子センターまでお越しください》
「なんだ、間違いか・・・」
びっくりしました。
「とりあえず、沙侑を迎えに行こうか」
「そうですね」
「大変ご迷惑をおかけしてすみません」
結局、沙侑はどうしてはぐれたんだろう。
「沙侑、どうしてはぐれたの?」
「トイレに行ってた。帰ってきたらお姉ちゃんが居なくて、お店の人がおいでって・・・」
さすが店員さん。迷子かどうかを見抜くなんて。いや、迷子かどうかって、店員さんじゃなくても分かるか。
「一緒に探してくださり、ありがとうございます」
「いいよ、いいよ」
並んで歩いて家に帰っているけど、普通に見たら3人姉妹みたいに見えるのかな。ま、3人中2人は本当に姉妹なんだけど。
「あ、そうだ、今度沙弥達の家に遊びに行ってもいい?」
「今からじゃだめ?泊まらない?」
「いや、沙侑、私は今からでも問題はないけど、沙侑達の事情もあるだろうし、しかもいきなり行くのもね・・・」
「お姉ちゃん、この後なにかある?」
「特に用事はないけど、泊まるのはどうだろう・・・?夕食くらいなら問題はないと思うよ」
「じゃあ一緒に食べよ!」
「まぁ、沙弥が大丈夫っていうなら大丈夫かな」
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