日和-03 オフ会日和
「んー、行くとこないなら、私の家でゲームやアニメ見たりしない?」
私の家ならゲームはそこそこあるし、アニメを録画したやつをDVDにしたやつもあるし、ちょっとやそっとじゃ暇にはならないと思う。
「いいのですか?」
「私は一人暮らしだから問題ないよ」
「
「ひよちゃんの家に行くというこでいいですか?」
「いいですよ」
「いいよー」
「あっ、私の家に行く前にちょっとアニメショップ行かない?」
返事は、全員OKだった。
「到着なのです!」
「久しぶりに来たなー」
みんなは、ここにあんまり来ないのかな?私はついこの前来たとき財布を忘れて買えなかったんだよね・・・
「えーっと、どこにあるかな~?」
この前の冬コミケで出た縦スクロールの弾幕ゲームの新作があったんだけど・・・
「ひよちゃんは、何を探しているのですか?」
「これ」
スマホにさっきのやつを表示させて
「あっ、これ、あっちの方で見かけたのです」
えっ!?
場所変わったんだ。
「ありがとう陽香」
さてさて、お目当ての物はあるかな?
・・・・・・
キタ------------------(・∀・)--------------------
あった、ありましたよ‼
えーっと、お値段の方は・・・2500円、まぁ、こんなもんかな。
早速会計を済まして、他のみんなを探していたら、沙侑が小さなくまの下敷きを見ていた。
「それ、ほしいの?」
自然に出てきた言葉がこれだった。お金はもう少し持ってきていたし、この下敷きは多分300円もしないと思うから現在所持金1000円の私でも買うことができる。
「ほしい」
「そっか、じゃあ買ってあげるね」
「いいの?」
すごく嬉しそうな声で聞いてきた。
「いいよー、でもこれだけだからね」
「うん ありがとう日和お姉ちゃん!」
沙侑は、満面の笑みで嬉しそうだ。
「お会計200円になります」
以外と安いな。250円くらいするかなと思ったんだけど。
まてよ、200円ならギリギリ今までに貯めたポイントで買えるじゃないか!所持ポイントが204ポイント・・・ほんとにギリギリだな。
「ありがとうございました」
沙侑の下敷きの会計も済ました。
「はい、沙侑」
「ありがとう‼」
「ここではまだ開けちゃだめだよ」
「うん」
一応領収書もあるし、万引きとかと間違われても領収書あるから問題はないけど、自らトラブルになるようなことは避けた方がいいからね。
「さて、陽香達はどこにいるかな?」
グッズコーナーを一通りまわってみたけどいなかった。本とかのとこにいるかな?
「それじゃ、あっちの方に行こうか」
私の後ろには当たり前(?)のように沙侑がついてきていた。ここに入る前に沙弥から「店からは絶っっっっ対出ちゃダメ」と言っていたから、店内ではさっきまで沙侑は1人であの下敷きを見ていたんだろう。店からは出ちゃダメって言ってればもし沙侑がどこに行ったか分からなくなっても、店内を探せばいいだけだから沙弥も自由行動をさせたんだろう。
「ひよちゃん、ひよちゃん、この作品、すっごい面白いのです!」
私が本のコーナーに入ったとたん、陽香が試し読みの本を持ってきた。それと同時に沙侑が警戒体勢に入った。(私の後ろに隠れた)
「おぉ!これ、私も気になっていたやつだ!」
さすが陽香。目が高い。いや、単に馬が合うだけだろうけど。
「ひよちゃんもですか!」
第1巻が600円弱。買える‼
「私、これ買おうかな」
「はるちゃんも買うのです!」
第1巻は3冊在庫があったから、二人とも買えた。私の残金・・・400円・・・買えるものはほとんどないな。バッジくらいなら買えるかな?
「そういや陽香、
「あっちの列の辺りにいると思うのです!」
「陽香はもう少しここにいる?」
私は用は済んだからいつでも帰れるんだけど。
「はるちゃんは、もうそろそろ、ひよちゃんの家に行ってみたいのです!」
「じゃあ、残りのみんなにも聞いてみよっか」
「もうそろそろ行く?」
「いつでもいいです」
神奈も、いつでもOKってことなんだろうか。聞いたら👍とだけだったが。
なんか、私のためにみんなが待ってくれていた感じで少し悪いなぁと思った。
「お姉ちゃん、日和お姉ちゃんに買ってもらった」
沙侑、そんなに嬉しかったのだろうか。沙弥に自慢しに行っちゃったよ。
「え!?なんで買ってもらってるの!?」
まぁ、普通の反応だよなぁ。
「すいません。私の妹が。代金、いくらでしたか?払います」
えっ・・・いやもう、なんかしっかりしすぎてるなぁ。
「いやいや、買おうか?って聞いたの私からだったし、気にしなくていいよ」
「いいんですか・・・?」
「いいよ、いいよ。ほんと、気にしないで」
「そうですか。ありがとうございます」
「そうだ、なんか私の都合でみんなを待たせちゃったみたいな感じだったし、ジュースかなにかおごるよ。遠慮なんていらないから」
ちょうど50円自販機が見えてきて、思いついた。
「じゃあ、はるちゃんはオレンジジュース!」
「私は、この麦茶で。沙侑、あなたは?」
「あの赤いの」
アップルジュースだな。
「グレープジュース・・・」
誰!?と思ったら神奈か。やっと声だしたな。神奈はグレープジュースだね。
「わ、私はコーラでお願いします」
「コーラだね。あ、敬語じゃなくていいよ」
「あ、はい!」
中央公園で言えばよかったなぁ。
「ここがひよちゃんの家ですか」
「そうだよー。散らかってると思うけどゆっくりしていってね」
「すごい高そうなマンション・・・」
「いや、1階だからそんなに高くないよ」
「そうなんだ」
「「「「「失礼しまーす」」」」」
「そんなに散らかってないじゃん」
いや、そう思えるのは玄関までだよ沙弥。
「ほらやっぱり。パソコン周り以外は片付いてる。私の家の方が散らかってるよ多分」
あ、そうだった。足の踏み場があまりにもなさすぎて歩きにくいからこの前久しぶりに片付けをしたんだっけ。半日以上もかけて。
「あ、ひよちゃん!これ対戦するのです!」
陽香が持ってきたのは超メジャーなカートレースゲームだった。このゲームは94年からある歴史あるゲームなんだよなぁ。
「いいよ、私強いよ~」
「日和、ここの本、読んでもいい?」
「いいよ」
なんか学校の友達とこんなことなかったから、どうなるかなと思っていたけど、すごい楽しい。
「これ、やらせて」
神奈が持ってきたのは落ちものパズルゲームだ。
「いいよ、いいよ」
「私もはるちゃんと日和と一緒にそれ、やってもいいですか?」
初めて香菜から話しかけられたように思う。
「いいよー」
「ウェルカムなのです!」
そういや沙侑は・・・さっき買ってあげた下敷きをまじまじと見てる。あんなに喜んでもらえるとこっちもなんか嬉しい。
"タタタタータ タタタター"
"3"
"2"
"1"
"GO!"
レースが始まった。個人戦に設定して、レースは全部で8レースやる。総合得点が1番高い人が優勝ということにした。
「負けないのですー!」
「お、お手柔らかに・・・」
どうやら香菜は以前に数回このゲームをやっただけらしい。
陽香は、私がゲームばっかりやっているのを知っていて自ら勝負を挑んできただけあって、なかなか上手い。
勝者
第1レース 日和
第2レース 陽香
第3レース 陽香
第4レース 日和
第5レース 日和
「陽香、次は香菜に勝たせるよ」
「了解なのです!」
流石に私たちだけ勝ちまくったら香菜は楽しくないだろうし、指を休めるのにもちょうどいいし。
第6レース 香菜
第7レース 陽香
第8レース 日和
総合結果は・・・・私の勝ち
「悔しいのです・・・今度来るときまでに腕を上げてまた挑むのです・・・」
いや、陽香の腕はすごい上手い。ネットの海外サーバーのガチプレイで3回に1回は1位をとる私とほぼ互角の戦いをしたんだから。
「日和お姉ちゃん、これ読んでもいい?」
やっぱ姉妹なんだなぁ。2人とも本に食いついた。
って持ってきたの、ラノベ!?ちょっと早すぎるんじゃないかな・・・読めない漢字だらけだろうし。
あ、この作品は、確かコミカライズ版も持ってたはず・・・
「ちょっとまってね」
どこだっけ?・・・・・・あったあった
「こっちの方がいいと思うよ。おんなじなかみだから、あんまり変わらないよ」
「うん、じゃあこっちにする」
‐数時間後‐
「もうそろそろ日も暮れてきたしそろそろ帰ろっか」
沙弥がちょうど1冊分読み終わったときに沙侑に言った。
「やだ、もうちょっといる」
「早く帰らないと暗くなっちゃうぞー」
沙弥の言いかたからして、沙侑は暗いところが嫌いなのか?
「うぅ・・・また来てもいい?」
「いいよー」
「はるちゃんもそろそろ帰るのです」
「2人はどうする?」
神奈と香菜はどうするんだろ。
「じゃあ、そろそろ帰らさせてもらいます」
神奈は手を振っていた。
「「「「「お邪魔しました」」」」」
「またいつでも来ていいからねー」
「今度来たときは負けないのですー!」
はるちゃんの声は聞こえたけど他の人の声はなにか言っているけど聞こえないような感じだった。
急に静かになったなぁ。いや、今がいつもの私の家の状態なんだけど。
というか、今日はオフ会というより単に私の家に友達が遊びにきたみたいなものだったよね。楽しかったからOKだけど。
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