日和-02 対面日和
うーん。
やっぱりあれは
家に帰ってSNSのソフトを開く。おっ、何人か浮上してるな
「今日、自転車で事故ったwww>
<えっ、大丈夫!?
大丈夫。大丈夫。>
<はるちゃんも今日事故したのです
えっ、じゃあやっぱり事故の相手は陽香?>
<分からないのです・・・
考え事してたら事故になっちゃったとか?>
<そうなのです!考え事してたら事故しちゃったのです
じゃあやっぱり事故の相手は陽香だったんだね>
<初対面が事故って珍しいねw
<まさか事故の相手がひよちゃんだなんて夢にも思わなかったのです
<日和はどうして事故の相手が陽香だって分かったの?
あー、喋り方だよ>」
「なのです」を語尾につける人、陽香以外に知らないもんなぁ。
「<そうだ!オフ会の日時考えてみたのですが、これでいいですか?」
おっ、決まったんだ。んーと、日時は今週の日曜日でお昼の12時頃に中央公園に集合、か。
「私はOKだよ>」
今日は水曜日だから、あと4日か・・・
楽しみだなぁ
‐4日後‐
「よし、準備OKかな」
忘れ物がないか確認する。本日の持参物は最近のアプリがスペック的に起動不可能なゴミスマホと、バック。バックの中身は財布とかが入っている。
「よし、中央公園に行くか」
到着っと。みんなの顔分かんないけど陽香はなんとなく覚えてるから陽香を探せばいいか。
中央公園を端から端まで歩いてみる。
「いないなぁ~ ん?」
気がつくと後ろに小学校低学年くらいの少女がついてきていた。迷子かな?
「どうしたの?迷子?一緒に探そうか?」
「迷子?」
あっ、迷子言っても分かんないのかな。
「お父さんかお母さんはいる?」
これくらいなら分かるだろう。
「お父さんともお母さんとも一緒に来てない。お姉ちゃんと来た」
お姉ちゃんとってことは、おつかいかな?
「お姉ちゃんはどこにいるか分かる?」
「分かんない」
これは迷子だね。
「おつかい頼まれたの?」
おつかいならスーパーとか探せばいいだろうし。
「知らない人と会うのに来た。お父さんもお母さんもお仕事で、お家に誰もいなくなるからお姉ちゃんについてきた」
えー、知らない人と会うってどゆこと!?
「うーん、私も人を探しているから一緒に探そっか」
「そうする」
早めに来ていてよかった。少しならこの子のお姉ちゃんも探せるし。
「そうだ、お姉ちゃんの名前は?」
「さや・・・
「さやちゃんは、私より背が高い?」
身長って言っても分かんないだろうからこれくらいならわかるかな。
「お姉ちゃんはお姉ちゃんより低い」
お姉ちゃんはお姉ちゃんより???あっ、沙弥さんが私より低いってことかな?
「ごめんね、私の名前言ってなかったね。私は
「日和お姉ちゃん、私は
なんだろう・・・ "日和お姉ちゃん" なんて言われたの初めてだからなんかなれないなぁ
「沙侑って読んで!」
さっきまでとは違ってさっきまでより元気な声だ。
「沙侑ちゃんじゃなくて、沙侑でいいの?」
「うん」
「沙侑、お姉ちゃんはどこで分からなくなった?」
「あそこのお水があるところの鳥さんを見ていたらお姉ちゃん居なくなってた」
お水があるところ・・・あぁ、噴水のところか。なるほどね、まさか妹が噴水のところで急にとまるとは思わなくて、歩いていたら、はぐれちゃったってことかな。
沙侑のお姉ちゃん、沙弥さんを探してたら、見覚えのある人が時計の近くにいた。んーっと誰だっけ?
「あっ」
「どうしたの?日和お姉ちゃん」
陽香だ。多分陽香だ。
あわてて時計を見る。集合時刻の2分前だった。
「私、行かなきゃいけないけど、1人じゃ心配だし、どうする?」
「日和お姉ちゃんについていく」
即答だった。
陽香と思われる人の近くに行く。
「人違いなら申し訳ないのですが、陽香さんですか?」
「はっ はい。はるちゃんは
「おぉ!よかった合ってた。陽香じゃなかったらどうしようかと思った」
「この前はごめんなのです」
「いいよいいよ、私も悪かったし」
「ところでそこにいる小さな子は誰なのです?もしかして、ひよちゃんの妹ですか?」
沙侑はさっと私の影に隠れた。人見知りなのかな?
「違うよ、妹なのは正解だけど、私の妹じゃないよ。迷子らしいの」
「それは大変なのです。はるちゃんも一緒に探すのです」
「まずは、みんな集まってからね。というか、集合場所みんなは知ってるの?私は陽香を探したからどうにかなったけど」
「あっ忘れていたのです」
「<集合場所は時計の近くなのです!」
5分くらい経った頃
「あっ、沙侑!どこ行ってたの?探したんだから」
と言いながら誰かがこっちに向かってくる。多分沙弥さんだろう。
「あっ、お姉ちゃんだ」
「ありがとうございます。妹が迷惑をおかけしました。あっ、今、こんなものしか持っていませんが、お詫びとして受け取ってください」
と言って渡してきたのは5,000円分のプリペイドカード2枚。ちょ、迷子だから一緒に探しただけで10000円貰うのはさすがに申し訳ない。
「いやいや、お詫びなんていりませんよ」
10000のプリペイドカード、ほしかったが流石に相手に悪い。というか、見た感じからして私より年下だろうにしっかりしてるなぁ。
「1つ、お尋ねしてもよろしいでしょうか?」
「あ、はい。いいですけど」
「この辺りに中学生と高校生が一緒にいるのを見かけませんでしたか?」
えっ?私が高校生で、陽香は(見た目は小学生の)中1だけど・・・
「もしかして、沙弥さんは、このグループに入っていたりしますか?」
と言いながらゴミスマホを操作して、SNSのグループを表示させ、見せる。
「えっ、もしかして、日和とはるちゃん??」
「そうなのです!」
「そうだよ!」
「沙侑は、サヤ(←SNSの表示名)の妹だったんだ」
なるほど、沙侑が言っていた知らない人と会うって、このことだったのか。確かに知らない人と言えば知らない人だな。
「あと2人なのです!」
あとは・・・
「電話して聞いてみるのです!」
陽香は、香奈さんに電話をかけた。
私がなんで香菜さんだけさんをつけているのかというと、実は、あんまり話したことがないからだ。私がゲームしている間によくSNSのグループにいるみたいで、同じ時間帯に浮上していることが少ないんだよなぁ。
「時計の近くで手をふっている人が見えますかー?」
「それがはるちゃん達なのです」
陽香によると、香菜さんは、中央公園には来ているけど、どこにいったらいいのかわからなくなっていたようだ。まぁ、そうなるよな。集合場所は、中央公園としか言われてなかったわけだし。
「遅くなりました」
少し息をきらせて時計の近くにきた香菜さん。多分走ってきたのだろう。
「あと1人なのです!」
「私が連絡とってみるよ」
神奈さん、神奈さんはーっと・・・
あった。もう電話でいいよね?
私が電話でをかけて数秒後、すぐそばの花壇のそばのベンチで気持ち良さそうに寝ている子の携帯が着信音を発し始めた。もしかしてあそこにいるのが神奈?
着信音に気づいて目を覚まして着信に応えた。と同時に私のスマホの発信音が消えて、通話状態になった。
「神奈さ、もしかして、花壇の近くで寝てた?」
「ふぇっ、なんでわかるの?」
あ、ビンゴだ。
「今からそっちに行くね」
そう言って電話を切る。
「陽香、あそこの花壇の近くのベンチにいる人、あれが神奈だよ」
「それじゃあ、レッツゴーなのです!」
陽香に続いて私たちも花壇のそばのベンチに行く。
神奈はいかにも寝起きって感じ(実際寝起きだけど)に目をこずっていた。
「おはよう神奈。日和だよ」
神奈とは、陽香の次くらいによく話している。
「はるちゃんなのです!」
「沙弥です。あと、妹の・・・あれ?」
沙侑は陽香の時と同じように私の後ろに隠れていた。
「お姉ちゃんの妹の沙侑で・・・す」
私と話しているときと比べるとかなり小さな声だった。
「香菜です」
神奈は、すこしあせり、戸惑った様子でうなずいた。何にたいしてうなずいたのかは分からないけど、多分よろしくって意味だと思う。
「全員揃ったのでそれぞれ自己紹介しませんか?といっても大体のことはみんな知ってるけど、みんなの名前を知りたいのです!」
「はるちゃんは、
「いいよ」
「私は、
「
「私は、
「
沙弥が「あんたも自己紹介しなさい」と言わんばかりに沙侑を見ている。
「
今にも消えてしまいそうな声だったが私はちゃんと聞こえた。多分、沙侑は人見知りだとおもうから、すごいがんばったんだろうな。
「さて、このあと、なにしますか?」
考えてなかったんかい!とつっこみたいところだが、いろいろ陽香にまかせているし、みんなで考えるか・・・
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