日和-09 お菓子日和

━━━━━━━━翌日

今、綾乃あやのと昼ごはん食べているんだけど、どうも箸が進まない。(尚、午前中は寝た(`・ω・´)キリッ)

「はぁ〜」

私の家でお菓子作りをするのは全然OKなんだけど、材料や道具とか、もちろん持っているわけないから、全部1から買わなきゃいけないし、どうしようかな。

日和ひよりどうしたの?」

「うーん、ちょっと悩んでて・・・」

「ゲームでどこか詰んだの?」

「いや、そういうことじゃなくて・・・あっ、綾乃、お菓子作りができる道具、持ってる?」

「え?今なんて?」

最近たまに見る難聴系主人公みたいだな。

「だから、お菓子作りができる道具持ってる?」

「やっぱり聞き間違いじゃなかった・・・日和が、日和が、お菓子作り!?地球終わるのかな・・・」

いや、地球終わるってwお菓子作って地球終わるって、強すぎだろw

「終わるわけないって」

「だって、日和がお菓子作るんだよ!?日和が午前中に起きているより珍しいんだよ」

まぁ、確かに陽香が言ってこなかったら、お菓子作りの「お」の字も頭になかっただろうけど。

「あー、それは、友達に【お菓子作りしたいけど、私(日和)の家でできないか?】って聞かれたからだよ」

「なるほど。そういうことね。で、お菓子作りの道具だっけ?私もお菓子作りの道具は持ってないね」

「日和先輩、どうかしたんですか?」

「?あ、みらい、おはよー」

「お、おはよう?ございます・・・?」

「あぁ、日和は今さっき起きた(起こした)からおはようなんだよ」

「あ、今日も寝ていたんですか」

「そ、というか、寝ていない日なんて、隕石が頭の上に落ちてくるくらい珍しいことだから」

さっきもだけど言いすぎじゃないか?いや、ある意味合ってるかもしれないけど。


「なるほど。現実でクラス全体が異世界に飛ばされてしまうくらい珍しいことてますね」

なんだろう、噛み合っているようで微妙に噛み合ってない。というか、みらい、アニメ見て、それを会話に使うって学習早すぎかよ。学習能力付きの文字入力より学習能力高いと思うんだけど。


「なるほど、日和先輩が悩んでいたのは、お菓子作りの道具と材料が原因ですか。あの、お菓子作り、私も参加してもいいですか?」

「ん?いいよ。多分陽香も、人多いほうがいいだろうし。でも、人と話すの苦手だったよね?大丈夫?多分5人くらいは来ると思うけど」

「多分、大丈夫で、す。日和先輩の友達に悪い人はいないと思いますし、少しでも人と話すことになれたいので」

声震えてるけど大丈夫か?まぁ、本人が大丈夫って言うならいいけど。

「まぁ、来るのは本当にOKなんだけど、道具と材料、本当にどうしよう」

♪〜

「ん?なんだ?」

なにかの通知が来たようなので、スマホを開いてみる。あ、ちなみに、この学校、授業中以外ならスマホOKなんだよね。まぁ、スペックとか含めてもゴミホだから、私は学校であんまり使わないけど。

「サヤちゃんが道具、持っていたのです!>」

お、陽香はるかからだ。なるほど、道具の問題は解決したみたいだな。

「どうしたの?珍しいね、こんな時間に通知なんて」

「あぁ、道具についてだけど、あてができたみたい」

「よかったじゃん、そういや、日和、日和の家でお菓子作りするんでしょ、あの机でお菓子作りなんてできるの?」

「あっ、そういえば」

私の家にある机は、パソコンの机を除いたら、私ひとりがご飯食べる用の小さい折りたたみ式の机しかないんだよなぁ。確かにあの大きさで何人もがお菓子作りするには、小さすぎるな。

「あの、私の家でお菓子作りをするのは、不可能でしょうか?大きい調理台もあるので、スペース的にお菓子を作れないということはないと思います」

調理台ってあたり、さすがだなぁ。

「うーん、聞いてみないと分かんないけど、確かに、みらいの家なら余裕だね」


「陽香に聞いてみたらOKらしいから、みらいの家でやらさせてもらうけどいい?」

「はい」

「そういや、綾乃は来る?」

「んー、どうしよう・・・というか、いいの?」

「まぁ、みらいの家でやることになったし、絶対大丈夫だね」

「どれだけ広いのよ、みらいちゃんの家は・・・」

「んー、喩えるなら城?とか?」

「家です!」

綾乃は「は?何いってんの?」とでも言いたそうにポカンとしてる。まぁ、見たことないし、仕方ないか。

「私も行こうかな」

「OK!」



━━━━━━━━数日後 みらいの家の庭にて

とりあえずみらいの家に着いた。んー、見た感じ、私が一番だな。他のみんなには、位置情報共有で場所教えたし大丈夫だよね?

にしても、広いよな庭。まぁ、広いのは庭だけじゃないけど。見通しいいし、庭を集合場所にしたけど、大丈夫かな。まぁ、これもいっか。

「日和先輩、おはようございます」

「おっ、みらい、おはよー」

「日和先輩、今日は何人来ますか?」

あー、そういや、全員は言ってなかったっけ。

「えーっと、私とみらいを含めて6人だよ」

名前言っても、みらいにとっては、会った事もない人の名前だし、言わなくてもいいよね。ちなみに、私、みらい、陽香、沙弥さや沙侑さゆ、綾乃がくる予定だ。って、みらいは自宅だから、「来る」とは言わないなw




「こんにちは。あ、日和さん、お久しぶりです」

「おっ、沙弥に沙侑、久しぶりー」

って、久しぶりーってほど会ってないわけじゃないけど。

「あやっ、もうみんなきてたのですか。久しぶりなのです!」

「久しぶりー陽香」

「······は、はじめまして。み、みらいです······」

「みーちゃんよろしくなのです!」

「み、みーちゃん······?」

「みらいちゃんのことなのです!だめですか?」

「いや、······ん、いい。大丈夫で、す」

みらい、頑張ったな。自分から話しかけるとは・・・

「そういえば、ひよちゃん、もう一人は来てますか?」

「いや、ちょっと用事があったみたいで遅れそうだから先に始めてていいって」

「そうなのですか。みーちゃん、今日はよろしくなのです!」

「みらいさん、よろしくお願いします。 ほら、沙侑も」

「···よろしく···ます」

はは。沙侑もみらいと同じ感じだな。

「よろしくねー、みらい」

「よ、よろしくお願いします」

「って、固くなりすぎだよwww」

「そうですね」

「とりあえず、お菓子を作るところに連れて行ってよ。多分迷うだろうし」



「本当に迷路みたいなのです」

「だよねー、私も最初に来たときは驚いた記憶しかないよ」

ん、なんか服の裾を引っ張られてるような気が···沙侑かな?

「···手、繋いでもいい?」

うん、予想通り沙侑だった。実の姉がいるだろ??と思ったりもしたこともあったが、慣れてきたなぁw

「いいよ」

まぁ、沙侑が迷子になってみんなで探して、そして2次遭難的なことがおきたら大変だしね。って、ありえそうで怖いw



「お嬢様、こちらへ。準備は全て整えておきました」

「メイドさんだ···」

「本物のメイドさんなのです!」

「まさか日本で見るとは思わなかったです」

どこの紅い館のメイド長とは言わないけど、このままナイフを投げてくるんじゃないか?ってくらいのThe☆メイドって感じの人が調理室(かな?)から出てきた。

「ありがとう。できるだけ私達だけでやりたいから、緊急の用事のとき以外は入らないで」

「承知しました」

お嬢様とメイドの会話が生で見れるとは・・・ちなみに、前回、PCを治しにここに来たときは、そのままみらいの部屋に行っただけだったから、メイドさんには会わなかったんだよなぁ。


「みーちゃん、みーちゃん、みーちゃんってお嬢様なのですか?」

陽香が後ろから抱きつきながら(いや、これは抱きつくっていうのか?まぁいいや、知らね)話しかけた。

「ひゃぁっ、へっ、えっと、そうみたい、です」

「そうみたいってどういうこと?」

やっぱり初めて聞くなら引っかかるよなぁ。

「みらいの家は、世界有数の超大企業の社長の家なんだよ」

「あー、なるほどnって、

「「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」」

陽香と沙弥は驚いているけど、どうやら沙侑は追いついていないみたいだな。

「いや、でも確かにそうでもないとこんな豪邸は建たないだろうし、そういやさっきメイドさんいたし・・・」

沙弥はおいついているけど、話を必死に整理してる。陽香は活動限界時間でもきたエ○ァか?ってくらいに固まってる。

「まぁ、あんまりそこに対して気を使いすぎないでやって。みらいは、人見知りだけど、"友達"を作ろうと頑張っているし」

「ぁ、あ、ありがとうございます。日和先輩」


「で?結局何のお菓子を作るの?」

「あれ?言ってなかったですか?」

「私の記憶にはない」

まぁ、私の記憶はフロッピイーディスクと勝負できるだろうから、あてにはならないだろうけどね。え?フロッピーディスクを知らない?一般的には昔使われていたデータを保存するためのものって思っておけばいいよ

「クッキーを作るのです!」

なるほど、クッキーか。確かにクッキーなら、小1の沙侑でもできそうだし、ちょうどいいな。って、作り方知らないけど。(型抜きしか知らない)


━━━━━━━━━━━━━━━━


「クッキーって、最初に何するんだっけ?」

「分からないのです!」

( 'ω')ファッ!?

こんなんで、ちゃんと完成するのだろうか。

「沙弥、分かる?」

「お菓子作りは滅多にしないので、あまり分かりません」

「そっか。どうしよ。ネット使うか」


ピンポーン

「ん?綾乃かな?」

んじゃ、ちょっと玄関まで行こうかね。

「あ、日和先輩、私が出ますよ」


━━━━━━━━玄関にて

「はーい」

「あっ、よかったぁ〜。違う家だったらどうしようかと思ったよ」

「綾乃先輩、用事って?」

「遅れてごめんよ。生徒会の仕事があったから」

「なるほど、そうでしたか」



━━━━━━━━調理室(戻ってきた)

「こんにちはー」

「あなたが綾ちゃんなのですか?」

「綾ちゃ?あー、うん、そうだよ。私が綾乃だよ」

綾乃すげーな、順応能力高すぎだろ。

「そうだ、綾乃、クッキーの作り方分かる?」

綾乃なら多分知ってるはず。

「あ、クッキー作るんだ。作り方は簡単だよ」

お、やっぱり知ってた。さすが。

「作り方、教えていただけないでしょうか?」

「ん、いいよ。って、そんなかしこまらなくてもいいよ」

沙弥は敬語がほとんどだからなぁ。


「で、どう作るの?」

「えっと、まずはバターと卵を混ぜて」

ん?あ、沙侑か。

「どうした?沙侑」

「やって、みたい」

「じゃあ、やってみるか」


沙侑が、混ぜて、生地が完成した。バターと卵以外に途中で薄力粉?ってやつをいれてたけど、何に使うんだ?まぁ、いいか。


「これで一旦冷蔵庫で冷やすよ」

「どれくらい冷やすのですか?」

「えっと、2時間くらいかな」

長っ。え、アニメ5話分くらい見れるじゃん。


━━━━━━━━2時間後

「この次は型抜きなのですか???」

「多分そうじゃない?」

「そうだよー」

「みらい、型抜きってある?」

「あ、持ってきますね」


えっと、待って。これ、全部型抜きなのか???多すぎないか??

「まだもう少しありますけど、どうします?」

「いや、みらい、これで十分すぎるよ」

型抜きが、軽く100個は超えてそうな数はあった。逆に何にそんなに使うんだ?って思ってしまう。


「型抜き開始なのです〜!」


━━━━━━━━十数分後

「これであとは焼くだけですか?」

「これで焼いてもいいけど、また冷蔵庫で冷やした方がいいから、冷蔵庫で冷やすよ」

「今度はどれくらい?」

「30分くらいかな」

あ、短くなった。



━━━━━━━━冷やして、オープンで焼いた

「完成ですか?まだ何かしますか?」

「これで完成だよ」

「「「「おぉー!」」」」

やっと完成か。

大体、漫画とかラノベとかの作品だと、こういう時はすっごく美味しくないってのが定番だけど、どうだろ。まぁちゃんと作ったし、大丈夫だよね。


「おっ!美味しい」

「サクサクなのです!」

よかった、大丈夫だった。


━━━━━━━━

あの後、みんなで雑談しながら作ったクッキーを食べてたら、男の人が来た。

「みらいー、ここかー?」

えっ、この人誰ーーーー??????

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