さっきの自分の言葉を噛みしめて。

 兄を看取る弟の物語。弟はでっぷりとしていて、健康的な肌をしている。一方、兄は余命いくばくもなく、痩せ細り、白い肌をしている。両親に対する感情も、性格も、対比的だ。静と動。

 ベッドの上で「寒い」と訴えながら寝る兄に、弟は粥を作って差し出す。
 しかし兄は――。

 雨の中、静かに展開される物語は、確実に読者の心に何かを残す。

 是非、御一読下さい。