前田薫八の「勝手に受賞作読んでみた感想文」

オーバーラップ文庫大賞キックオフ賞

個人的おすすめ作品ベスト３

１位　きんいろカルテット！

２位　秋葉原ダンジョン冒険奇譚

３位　白き煌王姫と異能魔導小隊

　１位の「きんいろカルテット！」はブリティッシュ・カルテットと呼ばれる日本ではなじみのない楽器を演奏する少女たちを成長させていく物語。主人公は音大の学生で、ヒロインたちは中学生です。読み味としてはライト文芸に近いのかな？　出来としては普通に大賞でもよかったんじゃないかと思えるほど面白かったです。音楽のことがよくわからなくても楽しめるように書かれていました。万人にオススメできる一作だと思います！

　２位の「秋葉原ダンジョン冒険奇譚」は秋葉原にできたダンジョンに潜る主人公たちの物語。ダンジョンの中では現代兵器が使いえないので、ファンタジー世界のように戦うことになります。現実とファンタジーがうまく融合した作品と言えるでしょう。出会った仲間たちとの交流も面白かったです！

　３位の「白き煌王姫と異能魔導小隊」は魔導が使えないが、異常な幸運の持ち主である主人公がリーダーを務める小隊がモンスターと戦う物語。小隊メンバーは一癖も二癖もあるやつらばかり。そんな彼女たちをまとめながら、主人公は日々戦っていきます。かわいいツンデレヒロインもいるよ！

その他の作品の感想

「魔王が多すぎる世の中に告げる」：クラス大半が魔王というわけのわからないクラスの委員長が主人公の物語。しかし、うまいこと魔王たちとコミュニケーションをとって主人公は日々を生きています。

「閃虹の機巧美神」：ロボット系であり、TS系でもある一作。女性にしか乗れないというロボットに乗るため、主人公は謎の少女の力によって女の子になってしまいます。どうしてこうなった！？

総評

　オーバーラップ初の新人賞として五作以上の受賞作も初。つまりこれ以降はみんな四作以下なんですよね。それでも質はなかなかよかったと思います。特に「きんいろカルテット！」はなぜこれが大賞でないのかと叫びたくなる一作でした。いや、まあ、これ以上の作品が今後出てくると思ったのかもしれませんが。