最後まで頭はファンタジーだった、よかった。

 頭がファンタジーの坂本探偵と、助手の金髪女子高生櫻子さんによるミステリー。天狗に河童に透明人間、死神、化け猫、幽霊などなど、人以外のものたちがたくさん出てきます。
 コミカルなやりとりに笑わされたと思いきや、徐々に明かされていく櫻子さんの苦悩にはっとさせられ、終盤のシリアスで鬼気迫る展開には息を飲んで、と、物語自体は絶妙にトーンを変えていくのですが、そこで全然ぶれない坂本さんと櫻子さんの関係性が、実はこの物語のすごい重要な要素なんだと気付かされます。このあたりのことが、作中で発生するいくつかの事件とも絡んでいて、特に櫻子さんの心情がうまく伝わってきました。そんな中でも坂本さんはいつも安定のお花畑で、なに喋ってもおもしろかったです。
 個人的に、坂本さんに厳しい櫻子さんの暴言や殴る蹴る、激しいつっこみが爽快で楽しかったです。