(please)forgive

 第5回はBUMP OF CHICKENの(please)forgiveです。お待たせしました、BUMPファンの自分。

 自分にとってこの曲はBUMPの曲の中でも特別な曲です。

 なぜなら、この曲を聴いて「半端者のダンス」の構想が思い浮かんだからです。

 だから「半端者のダンス」のラストカットは、この曲が流れてエンドロールが始まるようなイメージで作っているのです。

 その辺りも想像して頂ければ、幸いです。

 では、以下解釈です。



□□歌詞□□

あなたを乗せた飛行機が あなたの行きたい場所まで

どうかあまり揺れないで 無事に着きますように


▽▽解釈▽▽

あなたは夢を叶える為に これから歩き始めるんですね

(あなた=かつて夢を共に追い求めた友人、飛行機=夢に向かって飛んでいく様子、行きたい場所=夢)

どうか行く道の途中で辛い事がなるべくありません様に

と言うのは、傷付いてでも夢を叶える覚悟をしている人に無傷で辿り着いて欲しいとはとても言えないから。私はその夢を叶える事の難しさを知っている)


□□歌詞□□

最近は別に元気じゃない それが平常で不満もない

生活に変化は求めない 現実とマンガは重ねない


▽▽解釈▽▽

最近どうって言われても、空元気を装う事にも疲れてしまった

でもそれさえにも慣れてしまって不満すら出てこない

昔はこのままじゃあだめだってマンガみたいなこと考えていたけれど、その変化を求める事がどれだけ自分を傷付けるかを知ってしまったから、もう夢見る事も無い



□□歌詞□□

いつまで続けるの 終わりがあるものなの

頭はずっと忙しく

心はずっと もうずっと


▽▽解釈▽▽

夢を諦めきる事も願い始める事も出来ないこんな生活をいつまで続けるんだろう

そもそも好転する事なんてあるのだろうか

頭でずっと考えているけれど焦るばかり

心は夢を諦めた時からずっとずっと焦りっぱなしだ



□□歌詞□□

絶え間無く叫んで 私を叫んで

たとえ耳を塞いでも 聴こえてしまうんだ

ただ怖いだけなんだ 不自由じゃなくなるのが

守られていた事を 思い知らされるのが


▽▽解釈▽▽

夢を叶えたかった頃の私が今の私を見て叫ぶ ずっと叫んでいる

耳を塞いでみたところで意味ない だって私が叫んでいるのだから

それでも私が私に耳を貸さないのは怖いからだ

自由になるって事は 安心を手放す事だから

やりたくもない仕事や生きがいの無い無味な生活がある事で

自分が生かされているって気付くのが辛すぎるから



□□歌詞□□

自分で選んできたのに 選ばされたと思いたい

一歩も動いちゃいないのに ここがどこかさえ怪しい


▽▽解釈▽▽

自分の努力不足を才能や社会の所為にしたい

何にもしてないのに 世界に置いてけぼりにされてしまったような気がして怖い



□□歌詞□□

あなたを乗せた飛行機が 私の行けない場所まで

せめて空は泣かないで 優しく晴れますように


▽▽解釈▽▽

あなたが夢を叶えに行ってしまったら 私は会いにいけないでしょうね

私は悔しくて泣いてしまうかもしれないけれど 世間はあなたの夢を応援してくれますように



□□歌詞□□

どこまでごまかすの 誰に許されたいの

頭はきっと嘘をつく

心はきっと もっとずっと


▽▽解釈▽▽

本当は自分だって夢を追いかけたいのではないのか

夢を追う事に一体誰の許可がいるというのか

頭では理屈をこねて自分を守ろうとしている

心は夢を諦めたあの日から そもそも自分にはできなかったことだって言い続けている



□□歌詞□□

遠くを見ていて 近くに見ていて

閉じた瞼の裏側に 映してしまうんだ

まだ憧れちゃうんだ 自由と戦う日々を

性懲りもなく何度も 描いてしまうんだ


▽▽解釈▽▽

あんなにも遠くにある夢が近くに見れてしまう

だって瞳を閉じると考えるのは夢の事ばかりだから

まだ今からなら間に合うんじゃあないか 昔みたいにやれるんじゃあないか

性懲りもなく何度も そういう事を考えてしまう



□□歌詞□□

求めない(生きているから)

重ねない(生きているから)

望まない(生きているなら)

筈がない


▽▽解釈▽▽

夢を求めない(生きる為には仕方ない)

現実とは重ねない(生きる為には仕方ない)

追い求める事は望まない(生きる為には仕方ない)

なんてそんなはずはない



□□歌詞□□

残酷な程自由だ 逃げようのない事実なんだ

震える手でその足で 全てを決めるんだ

絶え間無く叫んで あなたを見ていて

それを続けた心で あなたは選んだんだ


▽▽解釈▽▽

残酷な程自由だ 夢を求めるのも諦めるのも全部自分次第だって それは事実なんだ

迷いながら怯えながらそれでも自分自身で人生を決めるんだ

私だけじゃあない

夢に向かうあなただって私と同じように苦しんだ

夢に向かっていた頃のあなたは夢を諦めたあなたに向かって叫び続けたし

夢に向かっていた頃のあなたは夢を諦めたあなたの事をずっと見ていた

その苦心、迷い、躊躇い、恐れ、あらゆるものが襲い来る日常を

だからあなたは夢に向かう事を選んだのだ



□□歌詞□□

あなたを乗せた飛行機が 私の行きたい場所まで

あなたを乗せた飛行機が 私の行きたい場所まで


▽▽解釈▽▽

あなたが悩み苦しみ抜いて出した決断だと知ったから、私も心が決まった

あなたが行く場所 それは私が行きたい場所

これからは夢に向かって飛び立つあなたを羨ましく思う事も無いよ

私が行こうとしている場所に あなたが先に行くってだけの話なのだから



 以上です。

 途中でも説明しましたが、

 あなた=夢を共に追いかけた友人

 飛行機=夢へ飛び立つための方法

 生きたい場所=夢

 と言う解釈を一貫しましたが、人によっては違うかなとも思います。


 しかし、自分はこういう解釈をしたからこそ、「半端者のダンス」を書き上げることが出来ました。

 特に、最後の前の話の「第25話 フライト」は、完全に意識しております。

 飛行機を完全に意識しております。

 飛行機=夢へ飛び立つと言う象徴の作り方も、この曲から刺激を受けての事です。

「モロパクリじゃねえか!」

 と、思う方もいらっしゃるかも知れません。しかしそれは解釈がズバリあっていたらの場合です。人によって解釈も違うと思いますので、その辺はご容赦頂きたいです。



 たった数百文字の歌詞で、自分に8万文字以上の小説を書かせる。

 歌詞というか、歌というのは、それだけとてつもない熱量を持っているのだなと思い知らされます。

 

 この曲を聴く度に「半端者のダンス」を思い出し、浸れる。

 こんなに幸せな事、なかなかないと思います。


 因みに自分が小説家の夢をまた追い求めようと思ったのは、様々な要因がありますが、この曲もまたその要因の一つです。

 子供のころからずっとBUMPには助けられてきましたが、大人になってからも助けられるとは思ってもみませんでした。


 RAYと言うアルバムに入っているこの曲。

 隠れすぎててBUMP好きな人ですら聴いた事が無かったりしますが、良い曲なのでこれを機に是非とも聴いてみてください。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

音学解 詩一 @serch

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ