初恋の君は、うすく透き通って……でも、消えない

10歳の頃に恋い焦がれていたお兄ちゃん、優斗が階段から落ちて亡くなってしまった。

初恋を初恋として持ち続けている藍は、気が付けば優斗と同じ年齢になっていた。

そんな時、再び出会う。

幽霊となって。

初恋の灯はかすかに揺らめいて、会えない切なさはむしろ、恋をわずかに光らせる。

初恋は叶わないとどこかの誰かが言う。

それでも消えない。

幽霊の君は薄くなる。

思い出もいずれ、薄くなる。

それでも、まだ、消えない。

いずれくる運命だとはわかっている。

それでもまだ、もう少しだけ。

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