初恋の君は、うすく透き通って……でも、消えない
- ★★ Very Good!!
10歳の頃に恋い焦がれていたお兄ちゃん、優斗が階段から落ちて亡くなってしまった。
初恋を初恋として持ち続けている藍は、気が付けば優斗と同じ年齢になっていた。
そんな時、再び出会う。
幽霊となって。
初恋の灯はかすかに揺らめいて、会えない切なさはむしろ、恋をわずかに光らせる。
初恋は叶わないとどこかの誰かが言う。
それでも消えない。
幽霊の君は薄くなる。
思い出もいずれ、薄くなる。
それでも、まだ、消えない。
いずれくる運命だとはわかっている。
それでもまだ、もう少しだけ。