水族館の水槽を覗き込めば、ふかぁい・ふかい・闇が見える。

うつくしい物語、とはお世辞に言えない、醜悪で、グロテクスなストーリー。
でもその醜悪さを真っ向から書こうとしている(それでいてその気負いを感じない)書き手の姿勢には、なんだか、とっても憧れるものを感じてしまうのはわたしだけでしょうか。描き出された醜悪な心の在り方は、「あの子」のものであり、「私」のものであり、そして読み手である「わたし」のものであり。
それに気付いてしまうと、もうこの作品は他人事として語れない、魅力、いや、魔力があるのです。

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