何者?
鍛冶屋を出て、ガルタの宿泊する宿へと向かう。
宿に付いた後、宿の窓口へと向かい窓口にあるベルを鳴らすと暫く後に宿の主人が出てきた。
俺を一瞥し一瞬睨んだ後、俺の事を思い出したのか、顔を少し緩めた。
「あの後、どちらに行かれたのですか?お召し物も出かけと違うようですね。」
「ここの町を訪れたのは、初めてあったので道に迷った。教えて貰った宿も見つけられず、手近な宿に止まった。
ご主人から頂いた洋服を痛める訳にもいかないので、服を新たに購入した。今洋服は洗濯に出している所だ。
それはともかく、主の世話はキチンと行ってくれたか?」
「それはもう……。ご主人さまもお気に召されたようで。」
「ほう。ならばもう一晩頼むとするか。これはチップだ。」
そう言ってチップと宿代を渡した。
「ありがとうございます。執事の方が戻られたら直ぐ呼ぶようにご主人様から申し付けられています。」
そう言って、店主は俺を部屋へと案内する。
(ん?俺を宿の中に案内して大丈夫なのか?)
部屋に俺を案内すると、店主はごゆっくりと言って部屋を出て行った。
「今までお主何をやっていたのだ?」
俺の服を見つつ、ガルタが声をかけてきた。
「鍛冶屋と洋服屋に顔を繋いでいた。
鍛冶屋が馬車の修復を請け負ってくれたぞ。」
そう答える。
「妾も宿の店主に加治屋を紹介をして貰う算段をつけておいたのじゃが……
しばし時間を有する見たいじゃぞ?
数日はかかると言っていた。
しかもお金と時間が暫くかかると聞いたが……。」
「すぐ直して貰えそうだが?」
「それなりの腕を持つ職人が必要だぞ?
それには手当てに時間がかかるそうだ……」
「ドワーフだから腕はそこそこ立つと思うが?」
「何……?ドワーフ……?この程度の町なら数人居ればましなはずだ……
しかも普通値段も凄くかかるはずだぞ?」
「ドワーフの一族には、そこそこの伝がある。直ぐにやってくれると言ってくれていたぞ……?
値段もそこまで足を見られることも恐らくないと俺は思う。」
そう俺は言い切った。
「常々思うのだが……お前は一体何者なんだ?
ドワーフが優先して鍛冶を行ってくれるなぞ普通の者にはあり得ないぞ?」
「過去ドワーフの一族にちょっとばかり貸しを作ったことがあるだけだ。」
そう言うと
「ハアアアア」
とガルダは何故か大きなため息をついた。
「普通ドワーフに貸しを作るなぞ中々ないものだが……」
「まあ、そんな訳で馬車の修理は任せてくれ。今から修理を楽んでくる。」
そう言って俺はガルダの部屋から出て行った。
バルタゴ戦記 カササギ @akatsuki999
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