とりあえず序盤、読んでの感想です。
最初からスッと読める語り口が心地よくて、ノーウェのキャラも好感が持てます。村出身の少年が特殊な称号を持って学園に乗り込む王道展開ながら、魔法の設定や称号制度にちゃんと説得力があるのがいいですね。
決闘シーンは見どころたっぷりで、ただのド派手バトルじゃなく、戦術や演出に工夫があって面白いです。「メージスタッフ」のくだりなんて特に、地味に賢い戦い方が光ってて、ノーウェのキャラがよく出てました。
各キャラとのやり取りがちょうどいいユルさで、シリアスとコメディのバランスが上手いです。世界観がシンプルに見えて、ちゃんと奥行きある感じがして、これからの展開も気になりますね。
さて続き読んできますー
異世界での魔法学園ものといえば何を思い浮かべるでしょうか?。
最初は舐められている主人公無双なんかがやはり王道でしょうか。
この作品もそういった面を押さえていますが、似たような設定の他作品との1番違いは、やはりタイトルにもある「決闘」ではないでしょうか。
作品を貫く決闘主義とでもいうか、スポ根ものにも似た実力主義と熱血と努力の物語に非常に惹きつけられます。
さらに主人公のノーウェは魔法の才覚もありますが、頭も切れ交渉も上手いのでそれらを活かして学園でのしあがっていく展開も小気味いいです。
またこういう作品では名ありモブになりがちな教師陣も個性豊かで、実に良い味を出しています。
タイトルで気になった方はぜひ一読される事をお勧めします。
魔法が形骸化し、先天的な「称号」で有能さが決まると言われる社会。
辺境の村人ノーウェは、ハズレとされる称号を片手にゼロから頂点を目指す。
舞台は魔法学校。だが、学業は二の次。
なんと決闘の結果で順位が決まるというガチンコな校風なのだ。
しかも個人の実力以上に、決闘内容や派閥の力関係が影響する。
逆を返せば魔法だけでなく、知恵と事前交渉によって有利不利が変わるということ。
本作は戦闘一辺倒な展開になっておらず、ゲーム性や言葉の裏を読み取る楽しみも盛り込まれている。
ノーウェは持ち前の機転を使い、どこまでのし上がれるか?
なお彼の機転は魔法の理解にも反映されており、通説になっている術理とは異なる認識を持つ。
おそらくノーウェの見解こそ魔法の真髄に近いと思われる。
というのも作者の近況ノートによると、同じ世界観で異なる時代の作品構想があるそう。
今より魔法が輝きを放っていた時代もあったらしい。
そういった意味でも、今後の展開が楽しみ。
決闘という生徒同士で高めあう仕組みを推奨している学園に入学した主人公。
そこで行われる決闘の前には必ず勝負方法や報酬の交渉が行われ、これが結構重要かつ交渉能力も試される。
そのため、単純に力が強いやつだけが上にいける訳ではないところが面白い!
そして、主人公の強みは何といってもその発想力と頭のキレ。
決して強くない魔法であってもその応用と魔法の効果が最大限活かせる決闘方法への交渉術。
それらをフル活用して、格上の人たちを倒していく様は実に痛快です!
心の声がおちゃめな教師やおバカながらも愛されるキャラクターが、全体的に硬くなりすぎない内容にしてくれているので、サクサク読めます。
頭脳戦も趣向を凝らした戦闘も楽しみたい方はおすすめです!