物病みに、差し伸べられる、白い腕。

正直途中から読むのがしんどくて、何度かやめようと思ったけど「これを読めば自分の病気と向き合えるかもしれない」と思って必死にしがみついて読みました。
結果、ちょっとは自分のことを好きになれたと思う。これはすごい進歩で、多分今の体調不良はポジティブな方に精神が転んだから、バランスをとれなくなってくらくらしているんだと思う。
自分語りはこのくらいにして。

統合失調症を抱えた方の手記です。自殺や精神病、自分の価値など、様々な概念や事象にかんするチップスがいっぱい。
もし、死にたいと考えているなら。
もし、誰かを自殺で亡くしたのなら。
精神を病んでいたら、あるいは病みそうなくらい追い詰められていたら。

白い腕が差し伸べられています。それは、あなたを助ける腕ではありません。言っておきますが誰もあなたを助けてはくれません。でも、諦めないでください。
その白い腕、よく見たら、見覚えありませんか? 
多分ですが、あなたの腕です。この手記に辿り着いたあなたは必死にあなたを助けようと思っている。

掴まるか拒否するかは選んでいいです。どっちが正解かは誰にも分からない。もちろん、あなたにも。

読んで何かを得られたら。読んで何か変わったら。読んで何かを捨てられたら。

もしかしたら、もしかしたらだけど、ね。

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