独特のストーリー構成です。

作者様の小説タグの区分どおりです。
「小説タグ:序盤テンプレ/中盤以降ダークファンタジー」ということになっていますので、初見の方はちゃんと意識するとよいと思います。
「~最弱職<ヒーラー>なのに最強はチートですか?~」というタイトルから想像して物語を読み進めると、物語の展開に違和感を覚えると思います。

タイトルに書きましたが、ストーリー構成が独特です。
大体の物語は主人公の活躍をメインにしてハッピーエンドなどに持って行くものですが、終わりに持って行く過程で主人公が経験する一番の苦難の過程を選んで書いたように感じました。

最強チートという力を主人公に与えて大活躍だけさせて主人公のいい面だけで流れる話は確かに爽快感がありますが、あえてそういう風にせず、「小説タグ:追放/復讐、鬱展開」を書き切って、物語の真実を最後に明かして終わらせたのは挑戦的であり、こだわりがあり、一個人として「凄いことをしたな」と思いました。

魅力的なキャラクターもいます。
異世界の構成もしっかりしています。
魔法名や技名や効果なども細かく書かれています。
でも、やっぱり私が一番に感じたのは全体を通した長い長い物語を妥協せずに書いた構成でした。

万人受けしないかもしれません。
好き嫌いも分かれると思います。
主人公を嫌いになる人もいるかもしれません。
私も本当はこうあって欲しいという展開がありましたが、そうはなってくれない場面が多々ありました。

それでも、この物語の中を生きたキャラクターたちの生き様を見て、考えさせられ、同情もしたし、思い通りにいかない現実を物語を通して見続けました。
そして、考えさせられたということは、この物語の虜にさせられていたんだな……と改めて思いました。


だからなのかなぁ……。
最終話を読み終えたあと、その後のキャラクターたちのダークファンタジーの関わらないファンタジーだけの話を読みたくなったのは。

私を「作者様は、この物語のファンタジーを読んでみたいという異世界症候群にしたのです!」と、最後にネム調に言ってみる!

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