人と魔と、そして神が紡ぐ終末の物語

暴虐なまでに人を蹂躙する魔物。
その魔物に死力を尽くして抗う人。

数々の軋轢を抱えながらも平穏な人の生を過ごす人々に、魔王の出現と魔物たちの決起が告げられる。
それは彼らにとって数々の終焉をもたらす始まりの音であった――。

心理的に複雑に絡み合い、それでも生きることを、守ることを諦めない人間たちが大変魅力的です。
同時にこの作品は人だけの物語ではありません。
人間同士に埋まらない溝があるように、敵対者となる魔物たちの中でも様々な心情が渦巻く物語です。

魔物を含めた彼らが最終的にどんな物語を描くに至るのか、世界の終末から目が離せない一作です。