常識や技術が通じない異世界の建築に町の工務店が挑む

大泉学園町で地域密着型の工務店を営むイケメン専務・舞波いすみが、恩師の紹介で請け負った案件は、日本政府が密かに管理する「扉」の先にある異世界の土地での建設工事だった。

舞波工務店は、かつて有名設計事務所のエースとして働いていた舞波いすみを始め、皆ベテラン揃い。

建築法や規制もない広い土地なら、のびのびと仕事ができる!と思いきや、異世界では魔法を使って建物を強化したり、雨風を弾いたりできるため、まともな技術や設計を身に着けた職人がいなかった!

いかにもファンタジックだが、確かにそんないい加減に造られた建物に住むのは敬遠したい。

さらに頭の固いお役人が現地人とトラブルを起こしてと、問題だらけの現場をいすみがどうまとめるのかに期待が高まる。

この作品の一番の持ち味は、なんといっても建築のリアリティだ。作家の本職も建築士というから、なるほど描写の詳細さもうなずける。

工務店のお仕事も学べる、働く大工さんが活躍する異世界ファンタジーだ。

(新作紹介 カクヨム金のたまご/文=愛咲優詩)

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